うどんこ病に効く新規殺菌剤「フセキワイドフロアブル」を発売 住友化学2025年5月21日
住友化学は5月20日、新規有効成分を含む殺菌剤「フセキワイドフロアブル」※1の国内販売を開始した。うどんこ病をはじめ、トマトやナスの主要病害にも安定した効果を発揮するという。
フセキワイドフロアブル
「フセキワイドフロアブル」は、住友化学が独自に開発した新規作用性の有効成分「ピリダクロメチル」と、日本曹達が保有する「イミノクタジンアルベシル酸塩」の2成分を組み合わせた殺菌剤。うどんこ病に対する高い防除効果と、耐性菌発生リスクの低減を両立した製品として登場した。
主成分のピリダクロメチルは、住友化学が推進する「B2020」パイプラインの一環として開発された化合物で、農業用殺菌剤としてはまったく新しい化学グループに属する。糸状菌の細胞骨格である微小管に作用するが、従来のチューブリン重合阻害剤とは異なる結合様式を持つため、交差耐性が生じにくい※2。この特性により、QoI剤、DMI剤、SDHI剤などに耐性を示すうどんこ病菌にも有効性が確認されている※3。
もう一つの成分、イミノクタジンアルベシル酸塩は、日本曹達が権利を保有する殺菌剤で、長年にわたり農業現場で使用されてきた実績を持ち、耐性菌の発生リスクが低いとされる。
「フセキワイドフロアブル」はこの2成分の組み合わせにより、うどんこ病のほか、トマトの葉かび病・すすかび病、なすのすすかび病にも安定した効果を発揮。防除体系の基幹剤としての活用が期待される。また、天敵や有用昆虫への影響が少ないため、IPM(総合的病害虫・雑草管理)※4にも適している。
本製品は、住友化学と日本曹達の両社から販売される。
住友化学は「持続可能な農業の実現に向け、環境負荷の低い革新的な製品の研究開発を進めていく。今後も農業生産者に向けた新たなソリューションの提供を通じて、安全・安心な食料の安定供給に貢献してまいります」とコメントしている。
※1 フセキワイドは住友化学の登録商標
※2 本化合物はチューブリンに結合して殺菌作用を示すが、結合部位が既存剤と異なるため交差耐性を示さない
※3 ピリダクロメチルの有効性は、QoI剤、DMI剤、SDHI剤などに耐性を示す菌株でも確認済み
※4 Integrated Pest Management(IPM):農薬を含む利用可能な適切な技術(天敵や有用生物の活用等)を統合し、病害虫や雑草を総合的に管理する方法
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