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農薬:防除学習帖

【防除学習帖】第37回 水稲の防除<5>本田期の病害防除22020年1月31日

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 前回、本田期の主な病害である、いもち病、紋枯病、稲こうじ病について紹介した。今回は、その他発生する重要病害について紹介する。

1.白葉枯病

 この病害は、キサントモナスという細菌が引き起こす。

 葉の縁が白くなって枯れあがり、止葉にまで発生した場合、水田一面が白く見えるほどになる。台風など稲の葉が痛むと、その傷跡から侵入し発生が多くなる。この病原細菌は、サヤヌカグサなどのイネ科雑草の根本で越冬し、灌漑水や大雨で稲が浸水したりすることにより伝搬され感染する。

 このため、用水路や畔のイネ科雑草を除草することにより発生を減らすことができる。毎年発生する場合には、オリゼメート粒剤やルーチン1キロ粒剤といった抵抗性誘導剤が有効である。ただし、これらの剤は、効果が出てくるまで時間がかかるので、台風が襲来する恐れのある時期の1週間から10日位前を逃さず使用する。もし、本田散布が難しい場合は、これらの剤の育苗箱処理を実施するとよい。


2.籾枯細菌病

 この病害も名前のとおり細菌が引き起こし、その病原菌はバークホルデリアという細菌である。

 細菌病は適温(32℃ぐらい)になると24時間で10万倍にも増えるほど増殖のスピードが速いので、増殖する前に確実に防除する必要がある。

 この病害は育苗期~稲穂がたなびく本田後期にまで発生するため、時期ごとに確実な防除が必要だ。育苗期では、この病害に効果のある種子消毒を徹底し、必要に応じてカスミン液剤等の播種時灌注処理を行う。本田期では、高温・多照年に発生しやすく、出穂前後に雨が多いと多発する。

 籾に発生すると、籾の一部や穂全体が淡褐色となり、傾穂せず、穂が突っ立ったままの状態になり、稔実は期待できなくなる。そこまでいかなくとも、発病した玄米も淡褐色に変色し、品質が悪くなる。本田散布剤では、オリゼメート粒剤やルーチン1キロ粒剤といった抵抗性誘導剤、スターナ粉剤・水和剤が有効である。

 ただし、抵抗性誘導剤は効果の発現までに時間がかかるので、使用方法を守って予防的に使用する。スターナ剤についても治療的効果は期待できないので、必ず予防的に使用する。


3.ごま葉枯病

 この病害は、糸状菌(かび)が起こす病害で、稲の生育期間全体を通じて発生する。

 主な被害は、本田後期に籾に褐色の斑点が発生したり、籾全体が褐色になって、穂を枯らす。稲の穂枯れ性病害の代表的存在で、高温・多湿の年に発生が多くなる。

 被害わらや種籾で越冬した菌が第一次発生源になるので、種子消毒の徹底が第一である。

 本田では、アミスターエイトフロアブルやノンブラス剤、ブラシン剤、ダブルカット剤といった剤を穂ばらみ期以降に複数回散布するとよい。


4.本田防除のコツは予防散布

 「病害虫が発生した時に必要な農薬を必要な量だけ散布すること」が効率的な防除法と考えられているようだが、いつ発生するかもわからない病害虫に目を光らせ、発生と同時に適切な防除を行うことはかなり難しい。

 近年のほ場の大規模化は、そのことをさらに難しくしているし、また、発見した時には既に病原菌が拡散し、手遅れの場合もある。

 例えば、病害の場合、感染してから発病するまで症状が出ない期間(潜伏期間)があるので、病斑が見つかった時には既に目の前の病斑以外にも、病気の症状は出ていないが既に感染している株が広がっていることもある。

 このため、発生する可能性がある病害については、病害が発生する前に予防剤を散布しておくことが、病害を確実かつ効率的に防除でき、農薬の使用回数も少なくする有効な方法だといえる。

 もちろん、地域単位で全く出ない病害には防除の必要はないが、地域で毎年発生する病害に対しては、その年の変化に対応するためにも、長期に持続する農薬をあらかじめ散布しておき、確実に防除する方がより効率的な防除法といえる。

 ただ、本田の防除では、散布労力の面や作業の集中などで、適期に散布できないことがある。これを避けるために、効果の持続性や処理しやすさなどから長期持続型の育苗箱処理剤を使用することが多くなっている。育苗箱に予め処理しておくことで長期に安定した防除効果を発揮するので、確実な本田防除が可能となる。

 この長期持続型の有効成分を含む育苗箱処理剤については、すでに紹介したので、そちらを参考にしてほしい。


本シリーズの記事一覧は下記リンクよりご覧下さい。
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