拡大するたんぱく質補給食品市場 富士経済2019年11月20日
総合マーケティングビジネスの富士経済(東京都中央区)は、拡大が続くたんぱく質補給食品の市場に関する調査を11月19日に発表。調査は7月~9月にかけて、同社専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングと関連文献調査、社内データベースを併用して行われた。

プロテインパウダーなどサプリメントから普及し始めたたんぱく質補給食品市場は、たんぱく質の摂取に対する重要性の理解が進み、様々なカテゴリーからの商品が増えたことから、日常的に摂取する消費者も増加し、堅調に拡大している。
調査では、たんぱく質補給食品としてサプリメント3品目、加工食品2品目、飲料・デザート3品目、菓子・シリアル2品目、その他2品目の5カテゴリー12品目の市場について現状を調べ、将来を予想した。
たんぱく質補給食品の国内市場は、2014年から大幅な拡大を続けており、2019年の市場は1453億円が見込まれる。2014年頃はプロテインパウダーをはじめとしたサプリメントが60%以上を占めていたが、2017年頃からサラダチキンやちくわ、ソーセージ類などの加工食品、プロテインドリンクやパウチプロテインゼリーなどの飲料・デザートが大きく伸びている。
2020年以降の伸びはやや鈍化するとみられるが、東京五輪による消費者のスポーツへの関心・参加意欲や、それに伴うスポーツ人口の増加などから需要の増加が期待され、2020年の市場は1558億円、2030年には1908億円に拡大すると予測している。
品目別にみると、プロテインパウダーは、当初トップアスリートに需要が限定される傾向があったが、現在はスポーツユーザーや一般消費者の利用が伸びている。ローカーボ(低炭水化物、低糖質)や筋トレの普及も追い風となっている。
また、プロテインパウダーがけん引するプロテインブームは他の商品カテゴリーにも波及しており、たんぱく質補給食品市場の拡大につながっている。
サラダチキン、ちくわ、ソーセージ類も、大きく伸びている。サラダチキンは2013年頃から、高たんぱく・低カロリーなどの点でヘルシー志向の消費者に受け入れられたことと、スポーツユーザーの摂取が進んだため伸びている。また、たんぱく質補給を目的とした食品としてソーセージ、ちくわ、かにかまなども発売され商品が多様化している。
プロテインドリンクは、2015年に発売された「ザバスミルクプロテイン」(明治)が、スポーツユーザーから一般消費者まで幅広い層に支持されていることや、参入メーカーが増えていることで大きく伸びている。
その他飲料・デザートは2011年、ギリシャヨーグルト「パルテノ」(森永乳業)の発売以降、高たんぱくのヘルシー性が支持されている。
食事代替ダイエット飲料は、たんぱく質を配合しない食事代替ダイエット飲料やプロテインパウダーへの需要流出により縮小している。
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