卵の卸売価格が平成3年以来の高値 前年同月より35%上昇 資材高騰に鳥インフル拍車2022年12月27日
資材高騰などの影響で卵の卸売価格が上昇を続け、12月の平均価格は前年同月比で35%上昇し、平成3年以来の高値となった。資材高騰に年末の需要期が重なったことに加えて鳥インフルエンザの流行が拍車をかけた形だ。価格は年明けにいったん落ち着くと見られるが、鳥インフルエンザの流行はさらに広がる可能性があり、市場関係者は注視している。
JA全農たまごが公表している相場情報によると、12月の東京の卵のM基準値(円/㎏)の平均卸売価格は284円となり、前年同月の210円より約35%上昇した。平成3年3月に335円まで高騰して以来の高値となった。
鶏卵の卸関係者によると、昨年から今年にかけて飼料価格が急騰したことで農家の生産意欲が減退して生産を抑制する傾向が進む中、コロナ禍の行動制限撤廃による外食需要の回復に年末の需要期も重なり、価格の上昇が進んだ。さらに今シーズンは鳥インフルエンザが猛威を振るい、農水省によると、すでに22道県で48件が発生、全国で採卵鶏は625万羽殺処分されている。全国の飼養羽数の約1億3700万羽に占める割合は4.6%で、直ちに流通に大きな影響は及ぼすものではないとされるが、「価格上昇に拍車をかけている」(市場関係者)とされている。
こうした状況について、野村哲郎農相は12月27日の閣議後会見で、「年が明ければ需要がある程度冷え込むので卵の価格は落ち着くと思われる。生産者も工夫しながら量的にも価格的にも求めやすいよう設定しているのでべらぼうに上がってくることはないと思う」などと話し、鶏を淘汰する期間を調整することなどで量的には確保できるとの見通しを示した。
一方、スーパーなどの小売価格は平年比で108%ほどにとどまっているものの、鳥インフルエンザの影響で地域によっては特売を中止するなどの動きもあり、市場関係者は「鳥インフルエンザの流行の状況も含めて年明けも需給状況を注視したい」と話している。
重要な記事
最新の記事
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】なぜ多様な農業経営体が大切なのか2024年3月28日
-
全国の総合JA535から507に 4月1日から 全中2024年3月28日
-
消える故郷-終りに、そしてはじめに-【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第284回2024年3月28日
-
岩手銀行、NTT東日本、JDSCが「岩手県の『食とエネルギーの総合産地化』プロジェクト」を共同宣言2024年3月28日
-
「日曹コテツフロアブル」登録変更 日本曹達2024年3月28日
-
適用拡大情報 殺虫剤「プレバソンフロアブル5」 FMC2024年3月28日
-
飼料用米を食料安保の要に 飼料用米振興協会が政策提言2024年3月28日
-
肥料袋の原料の一部をリサイクル樹脂へ置換え 片倉コープアグリ2024年3月28日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付)2024年3月28日
-
純烈が熱唱 新CM「おいしい雪印メグミルク牛乳 ゴクうまボトル」公開2024年3月28日
-
むすびえ「ウェルビーイングアワード 2024」活動・アクション部門グランプリを受賞2024年3月28日
-
「物流の2024年問題」全国の青果センターの中継拠点化で「共同輸配送」促進 ファーマインド2024年3月28日
-
ポストハーベスト事業 米国子会社を譲渡 住友化学2024年3月28日
-
農業の「経営技術」を習得 無料オンライン勉強会を隔月で開催 ココカラ2024年3月28日
-
森林由来クレジット販売プラットフォーム立上げ第一号案件を売買全森連×農林中金2024年3月28日
-
新規需要米に適した水稲新品種「あきいいな」育成 耐病性が優れ安定生産が可能に 農研機構2024年3月28日
-
食品ロス削減に貢献 コープ商品6品を3月から順次拡充 日本生協連2024年3月28日
-
最適な雑草防除をサポート「my防除」一般向け提供開始 バイエルクロップサイエンス2024年3月28日
-
国産和牛が当たる 「春の農協シリーズキャンペーン2024」4月1日から実施2024年3月28日
-
れんこん腐敗病の課題解決へ JA大津松茂と圃場検証を実施 AGRI SMILE2024年3月28日