被爆から80年「核兵器のない世界」を語り合うイベント開催 パルシステム連合会2025年2月21日
パルシステム連合会は2月14日、東新宿本部で被爆者と次世代を担う人たちが「核兵器のない世界」を語り合うイベント「Hibakusha Dialogue」(ヒバクシャ・ダイアログ)」を開催。長崎での被爆体験と、2024年12月に行われたノーベル平和賞授賞式の報告を聞いた。
着物姿で核廃絶を訴える福島さん
「Hibakusha Dialogue」には、会場28人とオンライン視聴83人の111人が参加。長崎で被爆した経験をもつ福島富子さんの話と、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)が受賞したノーベル平和賞授賞式に同行した浅野英男さんの報告を聞いた。
神奈川県原爆被災者の会(横浜市神奈川区、丸山進会長)で副会長を務める福島さんは生後6か月の時、長崎市の爆心地から2.5kmの実家で被爆。爆心地と実家が山に隔てられていため、居間で瓦礫に埋もれながらも助かったが、福島さんは4歳の時、家族から一人離され叔母の元に預けられた。
福島さんは当時のことを、被爆者だと周囲に分からないようにと家族が配慮したと推察。実家に帰った10歳のころ、久しぶりに再会した母が自分の姿を見て泣き崩れていたことを覚えている。母の姿の記憶がない福島さんは、誰だろうと見つめるしかなかった。福島さんは「自分が子どもを持って初めて気持ちが分かりました。なんと残酷な状況であったか」と振り返る。
高校卒業後、自分が被爆者であることを知った福島さん。被爆者手帳を取得した34歳で被爆者の会に所属した当初は、被爆の記憶がない自分に体験を語る資格はないと思っていたが、福島原発事故の被災者と出会った2013年、声を上げるべきと考えた。
その後、福島さんは核拡散禁止条約再検討会議に合わせて渡米するなど、核廃絶を訴えるさまざまな活動に参加。2017年の国際NGOの核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のノーベル平和賞受賞式や、昨年の日本被団協が受賞した際もオスロを訪問し、核兵器の非人道性を次世代へと伝え続けている。
自然と人々が連なったパレード
浅野さんは、(一社)核兵器をなくす日本キャンペーンのスタッフとして通訳やサポートのため参加したノーベル平和賞授賞式の模様を紹介。会場のオスロでは、日本被団協のシンボルでもある折り鶴をあしらったのぼりやポスターが町中に飾られ受賞を歓迎していたという。
受賞理由には、被爆者による「核兵器のない世界」実現への尽力と「核のタブー」確立への貢献が挙げられた。ウクライナやガザ、東アジアなどでの指導者の言動により「核のタブー」が圧力にさらされるなか、被爆者の草の根の活動と日本の新しい世代による核廃絶の訴えの継承が評価され、受賞につながったという。
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