国際協同組合年に誰もが活躍する社会へ 生活困窮者就労訓練事業認定 パルライン2025年4月21日
パルシステムグループの物流を担う株式会社パルラインは、宅配サービスの商品を仕分ける物流センター3拠点で、生活困窮者就労訓練事業認定を受けた。さまざまな事情で働くことが難しい人を行政などと連携して受け入れ、就労に向け課題に寄り添い伴走する。
大型保冷バックの修繕作業
認定を受けたのは、熊谷センター(埼玉県熊谷市)と八王子センター、南大沢センター(いずれも東京都八王子市)の3か所。事業は生活困窮者自立支援法に基づき、すぐに働き始めるのは難しい状況の人に仕事内容や働く日数、時間などを配慮しながら就労の機会を提供する。制度には、雇用契約をせずに就労を体験する「非雇用型」と「雇用型」があり、パルラインは、非雇用型から開始する。
非雇用型は、不安定な心身の状態から連続勤務が難しくなりやすいことを想定。就労日数や時間を相談して決められた日時で働くかは本人が選択できる。当日の急な欠勤や遅刻、早退にも柔軟に対応し、本人が無理のないペースで作業できる環境を整える。
センターでの商品仕分けの作業は、入庫から始まりセットラインへの商品や器材の補充、仕分け後の箱の積み付けなど業務が細かく分かれているため、業務を切り出しやすく、訓練者は特性に合った作業を担当することが可能。急な欠勤も想定の上で受け入れ態勢を構築する。
健康管理やコミュニケーションにも配慮
非雇用型での就労希望者は、各拠点の行政やワーカーズコープ、相談機関などと連携して受け入れ、本人が置かれる状況や抱える課題を把握。相談機関や本人との面談により、心身の健康状態や性格、コミュニケーションの取り方などの状況や希望を確認し、チェックシートなどのツールも活用しながら心地よく作業できるよう寄り添う。
本人に就労継続の希望があれば、契約に基づく雇用型へ移行し、将来的には一般就労への移行も可能。円滑に一般就労へ移行できるよう、日々の気付きや経験を活かし、配慮ある対応方法の工夫などを重ねていく。
パルラインは2017年から、引きこもりなどで長期間就労していない人の雇用を始め、現在40人が活躍している。2020年には障害を持つ人への理解促進も目指し、マニュアルを全社員に配付して積極的に採用。研修なども実施し、同じ職場で働くお互いの状況が「わからない」ことで生まれる不安の解消に努めている。
障害者への理解を示す腕章とバッチ
専門の研修を修了した職場適応援助者「ジョブコーチ」を全12事業所に配置し、雇用定着をサポート。さらに、社内資格の「ジョブサポーター」取得者は現在220人を超え、「障害者への理解がある」との意思表示を込めた腕章とバッチを身に着け、誰もが安心して働けるよう職場内で支えている。
3400人以上が働く社内全体の支援体制のもと、現在は商品やカタログのセットセンターなどで79人の障害者が活躍している。
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