桃の袋掛けなど労働力で産地応援 生産者と協同で真剣農作業 パルシステム東京2025年5月30日
生活協同組合パルシステム東京は6月7日、産直提携を結ぶモモやブドウの産地、御坂うまいもの会(山梨県笛吹市)で利用者5家族とともに援農ボランティアを実施。作業した農地の果実は、収穫を迎える時期に参加者の自宅へ届けられる。
摘果後の農地のモモの実全てに袋掛け
援農は、モモの実を大きくするための摘果作業を終えた農地で実施。農薬使用量の削減に努めているため、病害虫などの被害や傷みを防ぐ目的でモモの実に袋をかける。
農地の全てのモモの実を守るため、生産者は毎日、何千枚もの袋掛けをしている。参加者家族が作業を手伝うことで、農薬削減の生産の努力を体感し、食味よく安心して食べられる果実への感謝を伝える。また、生産者は、作業を通じて産地のようすや果実の生育過程を参加者に伝えながら、食べてくれる人の声に耳を傾け、生産者と消費者が農作業の時間を共に過ごすことで相互理解を深める。
袋掛けをした桃は、夏の収穫期まで生産者が細やかに管理し、宅配利用者の食卓に届けられる。また、援農参加者の自宅にもお礼のモモやブドウを届ける。
生育状況に応じブドウ摘粒作業も予定
御坂うまいもの会は、県の農薬使用基準の5割以上を削減してモモやブドウ、スモモを栽培。除草剤や土壌くん蒸剤、パルシステム独自の削減目標農薬も使わず、果実の中でも特に農薬削減が難しいとされる品目で、食味と品質の向上に努めながら生産を継続してきた。
また、農薬削減による生産地域の環境負荷軽減に加え、剪定後の枝を炭にすることでCO2排出量を減らす炭素貯留にも挑戦。CO2は光合成により果樹内部に貯留されるため、剪定で切落した枝を完全に燃やすと大気中に放出され、炭にするとCO2の一部が残り、土にまくことで園地に留まる。
炭素地貯留は果樹生産が主力の山梨県が推奨し、世界の土壌表層の炭素量を年間0.4%増やすことを目指す「4‰イニシアチブ」の活動の一環として県内生産者への協力を呼びかけている。御坂うまいもの会でも果実の生育に大きな影響を与える地球温暖化への対策を進めることで、持続可能な農業を目指している。
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