伊豆諸島で繁殖する海鳥にプラスチック由来の化学物質の蓄積明らかに 日本野鳥の会2025年6月27日
東京農工大学と日本野鳥の会は、プラスチック汚染の海鳥への影響を調べるため、伊豆諸島で繁殖する海鳥オーストンウミツバメの尾腺ワックス中の残留性有機汚染物質や紫外線吸収剤の濃度を定量し、評価した。その結果、有害なポリ塩化ビフェニル(PCBs)とジクロロジフェニルジクロロエチレン(DDE)が検出され、北太平洋に生息する他の海鳥と比較しても高い濃度で蓄積していた。また、プラスチック添加剤のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(BUVSs)についても高い濃度で蓄積している個体がいること、そのなかにはストックホルム条約に登録されているUV-328が含まれていることも明らかになった。これらのウミツバメ類での蓄積は、国内では初めての知見となる。
夜間に繁殖地に戻ってきたオーストンウミツバメ
海洋に流出したプラスチックは、絡まりや誤食、汚染などを引き起こし、海洋生物の大きな脅威となっている。海鳥では、1962年にコシジロウミツバメで初めて体内からプラスチック片が見つかったのち、多くの海鳥から、誤食が報告されている。近年では9割以上の海鳥がプラスチックを摂食していると推定されているが、日本近海に生息する海鳥についてはまだよくわかっていない。
同研究は、北西太平洋に生息し、ついばみ採餌をする小型の海鳥オーストンウミツバメH. tristrami(全長:24.5~27cm)を対象に、尾腺ワックス中に含まれる残留性有機汚染物質であるポリ塩化ビフェニル(PCBs)とジクロロジフェニルジクロロエチレン(DDE)に加え、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(BUVSs)の濃度を定量し、汚染状況を評価した。
オーストンウミツバメの尾腺ワックスから検出されたプラスチック由来の化学物質(UV-328)
調査地は、国内最大の繁殖地である伊豆諸島神津島の属島の祇苗島(ただなえじま)で、13羽(成鳥11羽、ヒナ2羽)から尾腺ワックスを採取し、分析を行った結果、すべての個体からPCBsとDDEが検出された。
プラスチックの摂食は、誤食のほか食物連鎖を通じて体内に取り込まれるため、潜水性の海鳥よりも海水表面で魚やイカ、エビなどをついばみ採餌するウミツバメ類などの方が、リスクが高いと考えられているが、生活のほとんどを遠洋上で過ごし、繁殖地である無人島では夜間に行動する種が多いウミツバメ類では、生態に関する情報は少なく、摂食や有害化学物質の蓄積に関する研究も限られている。
同研究では、伊豆諸島に生息するオーストンウミツバメに高濃度の有害化学物質の蓄積が起きていることが明らかになった。今後は、ジオロケータなどの機器を用いた利用海域の特定や生態情報の収集、繁殖状況のモニタリングを行う。さらに同研究の結果は、ウミツバメ類におけるプラスチック汚染のリスクを危惧した国外の研究と一致しており、世界中のウミツバメ類についてもプラスチック汚染に関するより幅広い調査を行うことが望まれる。
今回検出されたベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤等の添加剤は、海鳥のような食物連鎖の上位にいる生物では蓄積が不均質に起き、その不均一性がプラスチック由来の特徴だと考えられるようになってきている。今後は、こうした生物蓄積の不均一性についてもデータを積み重ねていくことが望まれる。
同研究は『Marine Pollution Bulletin』に5月30日付でオンライン掲載された。
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