日本被団協など講演 130人が受け止めた「考え続ける大切さ」パルシステム東京2025年8月6日
生活協同組合パルシステム東京は7月、広島と中継をつなぎ、戦後80年を考えるイベントを開催。オンライン参加を含む130人が参加し、2024年にノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)代表委員の箕牧智之さんらが、戦時中から戦後にかけた日本社会の変遷や核兵器の廃絶を訴えてきた活動の軌跡を伝えた。
広島からオンラインで話を伝えた箕牧さん
箕牧さんは1942年に東京で生まれ、東京大空襲の後に疎開した広島で被爆した。家の前で遊んでいると、空が光ったのを覚えており、ボロボロになった人たちが家の前を通りはじめ、怖くなって隠れていたという。
核兵器廃絶を目指す活動は2005年、日本被団協元代表委員の坪井直さんに出会ったことをきっかけに始めた箕牧さんは、自らも被爆した立場から「核兵器が使われることがあってはならない」と訴えてきた思いを受け継いでいると話す。
証言活動では、アメリカの小学校などでも原爆投下がもたらした災禍を伝えてきた。ニューヨークでは、話しを聞いていた女の子が泣き出し「戦争のむごさが伝わった」と感じたが、大人の多くは原爆を投下したことに肯定的だったという。
そこで箕牧さんは、日本軍の真珠湾奇襲を謝罪するようにしたところ、話を聞いてもらえるようになった。原爆の被害を訴えるだけではなく、互いの立場を理解し合い、平和を構築していくことの大切さを伝えた。
「日本被団協のノーベル平和賞は、坪井さんはじめ先人たちの『決してあきらめない』と証言し続けた努力によるもの」と箕牧さん。現在被爆者の平均年齢は86歳を超え、被爆者手帳所有者は2024年に10万人を下回った。「被爆者が1人もいなくなった時に、日本が再び戦争に巻き込まれないよう、若い人たちが戦争反対と平和を掲げてほしい」と話を締めくくった。
続いて証言した多賀俊介さんは、広島で被爆2世として平和教育を実践してきた。高校の社会科教師として平和教育を担当し、生徒たちと県内の戦跡を巡り戦時下の災禍を体感するフィールドワークなどを紹介した。
平和学習のカリキュラム作成の過程では、原爆投下に遭遇した教師に体験を伝えて欲しいと頼んだところ「話して分かることではない」と厳しく断られ、被爆体験を語ることの重さを受け止めていなかった自分を反省したと言う。
「聞いてくれる人が辛い思いを受け止めてくれるから、証言者は話せます」と多賀さん。「被爆者が辛い体験を話すのは命を絞りだすようなもの。聞く側も恐怖を感じますが、世代を超え知る機会を作る必要がある」と、現在もヒロシマピースボランティアとして活動し続けている。
証言を聞いた被爆者の一人で中西巌さんは、若者に「平和の敵は平和」と伝えていたと言う。「『平和は大切』と言うのは簡単ですが、行動しなければすぐに失われてしまう。被爆や戦時中の体験を直接聞ける機会がますます減っていくなか、次世代が体験を語り継ぎ、平和のためにできることを考え続けてださい」と呼びかけた。
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