四国初「仮想メガファーム」構想 地元農家と横連携で構築 ユニバース2026年1月27日
合同会社ユニバース(徳島県美馬市)は1月26日、農地の集約化と規模拡大が難しい徳島県西部で、地元農家の横連携を図り仮想的にメガファームを構築、効率化と収益拡大をめざす「仮想メガファーム構想」を発表した。
事業展開地となる美馬市舞中島の水田
ユニバースは2024年11月に東京青山から徳島県美馬市に本社を移転した株式会社アリエスの代表取締役の三谷博明氏が2025年9月1日に代表社員となって設立した農業法人。同市穴吹町舞中島地区で取得した2000坪弱の土地をベースに、国の農地バンク制度を活用して地元の農地を集約化、水稲や野菜、化粧品向けの薬草栽培を本格化に展開する事業を始めた。2026年1月をめどに認定農業者となった後、本格的に農業事業を展開していく。
徳島の西部地区は地形的に農地の大規模化と機械の導入による農作業の効率化を進めにくいことに加え、高齢化や後継者不足で収益を上げることが難しい状況にある。全国的に農地の大規模化や機械化による経営の改善が求められているが、徳島県は大規模化の進捗度が全国40位、中四国では最下位(平均面積1ha)となっている。
そこで同社は、大規模化が難しい徳島県での農業を革新する農業経営手法として「仮想メガファーム」を構想。メガファームは、1経営体当たり農地100ha以上の大規模農家を指すもので、土地の広い北海道、東北、北陸中心に増えているが、土地の狭い四国・中国では難しく、香川や島根などのごく一部に限られている。
新たな「仮想メガファーム」では、1経営体単独でのメガでなく、複数の農家が集合して、機械の共同利用、農作業の外部委託等の相互協力を行うことで、実質的にメガファームと同等の機能と生産規模の達成が可能となる。
同構想の名称は国内ではまだ認知されておらず、徳島初、四国初、日本初といえるもの。中規模農家の横連携により仮想ながら実質的なメガファームを形成。メガ規模の利点を生かしながら、コスト削減と収益増大をはかり、農業産業を持続可能なものにしていく。
ユニバースは、同構想の実展開に向け、まず近隣の農家と契約を結び、農地の提供と農作業の外注化を進め、3年後をめどに自社で取得した機械の共同利用と農作業の委受託の運用システムを確立、実質的なメガファームの実現を目指す。
また、ウェブデータベースで農業機械を共同利用する「農業機械管理アプリ」、「圃場別農産物管理アプリ」、特に化粧品製造販売を行っているグループ企業のアリエスに向けて「化粧品原料生産地情報アプリ」の開発をすでに終えている。圃場別農法別の収量分析データを蓄積し、これらのデータを活用して、より高品質で環境負荷の少ない生産法の開発と応用につなげる。
さらに、ユニバースでは、最近のAI技術の著しい進展を踏まえ、3~5年後を目標に、アメリカテスラ社などのヒューマノイド(人型)ロボットの導入を目指す。現場で収集したリアルタイムのデータに基づいた圃場管理や作業管理をしながら、農業機械の運転、除草、収穫、選別、梱包などのさまざまな作業をロボットが人と協働して行う先端のシステムを構築、仮想メガファーム内の農家に共同利用できるようにしていく計画。これらにより、深刻化する労働力の不足に対応し、労働環境の改善で若い人たちの新規就農の促進に取り組む。
なお、ユニバースでは、徳島で生産した農産物を高速道経由で阪神地区向けに販売出荷する営業進出拠点として、アリエスが兵庫県神戸市内に2月1日に開設するサテライトオフィスを活用していく予定。
ユニバースの三谷代表は「この美馬の地でも、農業従事者の高齢化や後継者不足により農業から撤退する人が増え、耕作放棄地が目立ってきている。こうした状況をくい止めるためにも、生産者が横連携し、協力しながら農業をもう一度強くしていく必要がある。仮想メガファームはその手法のひとつで、皆さんと協力しながら、この地で農業産業の持続化に貢献できるよう尽力していきたい」と話している。
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