電気で殺菌、品質劣化を低減 農研機構2013年12月11日
農研機構らの研究チームは、電気エネルギーを利用した新たな液体飲料の殺菌法を開発した。12月3日、この技術を使った新たな果汁製品の製造を近日中にスタートすると発表した。
一般的に液体飲料の殺菌処理には加熱する方法を使うが、新たに開発した交流高電界殺菌(HEF-AC)は、電気を流すことで食品自体を瞬間的に発熱させ、食品中の微生物などを瞬時に殺菌する方法だ。
従来の加熱に比べて、殺菌時の熱による変色を5分の1、加熱臭の発生を4分の1、ビタミンCの減少を10分の1に抑えるなど、品質劣化を大幅に削減できるほか、加熱から殺菌まで1【?】2分かかっていた作業時間を、わずか2秒ほどに短縮することができる。また、オレンジやレモンなどの果汁、茶、コーヒーなどさまざまな液体飲料に利用できることも実証した。
共同研究に携わったポッカサッポロフード&ビバレッジ(株)、(株)フロンティアエンジニアリングでは、これを利用し毎時5tの処理能力をもった殺菌装置を完成させた。近日中に、ポッカサッポロフード&ビバレッジの新工場の果汁製造ラインにこの装置を導入する予定だ。
農研機構では、この技術は「殺菌だけでなく酵素の失活にも優れた性能を発揮する。幅広く応用できる」と普及に期待している。
(関連記事)
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