米の新品種・加工技術など 2013年10大研究2013年12月19日
農林水産技術会議は12月16日、2013年農林水産研究成果10大トピックスを発表した。
この10件は、1年間に発表された農林水産関係の研究成果の中から、社会的関心が高いと思われるものを専門紙誌29社の協力のもとで選定したもの。
研究分野は農機、食品加工、遺伝子解析、栽培技術、獣害対策など多彩。品目別では、米が5件でもっとも多く、次いでイチゴが2件、そのほかリンゴ、ミカン、獣害対策がそれぞれ1件だった。研究機関別では農研機構が6件で最多だった。
米の研究では、米をゲル状に加工する技術や、米粉パン用の新品種「ゆめふわり」など、米の新たな需要拡大に向けた研究に注目が集まった。
イチゴでは、農研機構、愛媛県、シブヤ精機などが共同でつくった収穫ロボット、島根県農業技術センターが開発した「無育苗栽培方法」、と2件とも作業の省力化に関する研究が選ばれた。
獣害対策では、森林総研が京都府などと共同で開発した森林用ドロップネットが選ばれた。ニホンジカを群れごと捕獲することが可能で、ニホンジカの密度低減に役立つと期待されている。
◇
10大トピックスは次の通り。各トピックの詳細は農水省ホームページで。
1.リンゴの摘果が楽にできるハサミを開発
新しい3枚刃構造で手の負担を軽減
2.森林用ドロップネットと運用方法の開発
山林における安全かつ効果的なニホンジカ密度低減に期待
3.新規食品素材「米ゲル」
多彩な用途で小麦の代替と食品の低カロリー化に期待
4.定置型イチゴ収穫ロボットを開発
大幅な省力化に期待
5.コメの粒数を左右する遺伝子(TAWAWA1)の発見!
イネの収量アップへの期待が高まる
6.β-クリプトキサンチンの血中濃度が高い中高年女性は骨粗しょう症になりにくい
ミカンの骨粗しょう症発症予防効果に期待
7.高CO2濃度によるコメの増収効果は高温条件下で低下
気候の違う2地点のFACE(開放系大気二酸化炭素増加)実験により確認
8.米粉パンに適した水稲新品種「ゆめふわり」を育成
「やわらかい」「しっとり」「もっちり」な米粉パンに
9.高設イチゴ栽培を省力化する「無育苗栽培方法」を確立
育苗期間の大幅な短縮と育苗労力の軽減を実現
10.コメ・コムギ3ヶ月前に豊凶予測
世界の2割の栽培面積で
(関連記事)
・世界初、カーネーションの遺伝子情報を解読(2013.12.18)
・新規研究課題として88課題を実施 農水省(2013.10.16)
・今年の農林水産研究成果10大トピックスを発表 セシウム除去技術など(2012.12.14)
・土壌の除染技術や口蹄疫の遺伝子検査法開発など 2011年の10大研究トピックス選定(2011.12.26)
重要な記事
最新の記事
-
飼料用米の支援 見直しを 財政制度等審議会が建議2025年12月3日 -
緑茶の輸出額 前年比2.3倍 農林水産物・食品の10月輸出実績2025年12月3日 -
JA貯金残高 108兆731億円 10月末 農林中金2025年12月3日 -
米の安定供給どう支える? 直接支払めぐり論戦 共助の「基金」提案も2025年12月3日 -
平和的国防産業の寿命【小松泰信・地方の眼力】2025年12月3日 -
【農と杜の独り言】第6回 野菜・あなたのお生まれは? 食の歴史知る機会に 千葉大学客員教授・賀来宏和氏2025年12月3日 -
童門氏の「恕」 混迷時こそ必要 "協同のリレー" JCA客員研究員・伊藤澄一氏2025年12月3日 -
【異業種から見た農業・地域の課題】担い手が将来展望を描けること 金融×人材×資源で強靭な地域に 一消費者の視点から 元大蔵省・藤塚明氏に聞く2025年12月3日 -
ご当地牛乳「リソルホテルズ」でウェルカムドリンクとして提供 JA全農2025年12月3日 -
毎年大人気!希少な岐阜の「堂上蜂屋柿」を販売開始 JAタウン2025年12月3日 -
稲作生産者の生産現場に密着 生産者ドキュメンタリー動画を公開 JA全農2025年12月3日 -
JAタウン「ホクレン」北海道醸造の日本酒10商品「送料負担なし」で販売中2025年12月3日 -
冬休みの牛乳消費拡大を応援「メイトー×ニッポンエール 冬のおいしいミルクコーヒー」発売 JA全農2025年12月3日 -
「佐賀県産うれしの茶フェア」5日から全農直営19店舗で開催 JA全農2025年12月3日 -
病院経営の改善に求められる課題は? 「医療の質と生産性向上」セミナー 日本文化厚生連2025年12月3日 -
安全性検査クリアの農業機械 1機種7型式を公表 農研機構2025年12月3日 -
【人事異動】日本製紙(2026年1月1日付)2025年12月3日 -
鶴岡共乾施設利用組合第1回総会開く JA鶴岡2025年12月3日 -
【役員人事】井関農機(12月1日付、12月31日付、1月1日付)2025年12月3日 -
鳥インフル 米国からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年12月3日


































