ヒメトビウンカの簡易検定法を開発 農研機構2014年6月19日
農研機構中央農業総合研究センターは、イネ縞葉枯病ウイルスを保毒するヒメトビウンカの簡易検定法を開発し、研修会開催や情報サイトの開設など、イネ縞葉枯病のまん延防止に向けた新たな取り組みを始めた。

近年、イネ縞葉枯病の発生が広がっており、関東以西の一部地域では減収要因の一つとなっている。
イネ縞葉枯病は「ゆうれい病」ともいわれ、この病害の発生は、この病害を媒介するヒメトビウンカの発生量と病原体であるイネ縞葉枯ウイルスを保毒するヒメトビウンカの割合(保毒虫率)に大きく影響される。そのため、国と都道府県が協力して、ヒメトビウンカの発生および保毒虫率の調査が行われている。
農研機構では、これまでの調査手法であるラテックス凝集反応法に替わる簡便・迅速な検定法を開発した。この検定法は、感度や結果の明瞭さがラテックス凝集反応法より優れているが、比較的時間がかかるという欠点をもつELISA(エライザ)法の作業工程を簡略化した「簡易ELISA法」によるもの。作業時間を大幅に短縮しラテックス凝縮反応法と同等としただけではなく、1検体あたりの費用を約20円とラテックス凝集反応法に比べて大幅に安価となっている。
この手法は、農水省が策定する「発生予察事業の調査実施基準」の改定案として提案される予定となっている。そしてこの手法に関する研修会を9月から11月にかけて3回、つくば市の農林交流センターで開催することにしている(日程は別掲)。さらに、農研機構ホームページにイネ縞葉枯病の防除対策などを取りまとめた情報サイトを開設した。研修会の申し込みもこのサイトから行える。
○研修会の日程
第1回9月30日
第2回10月29日
第3回11月21日
いずれも11:00から17:00で、3回とも同じ内容で実施される。
(写真)
簡易ELISAに供するヒメトビウンカ圧搾処理の様子
(関連記事)
・新殺菌成分の水稲用箱処理剤「エバーゴル」(2014.05.30)
・日産「エルサン粉剤」 全農薬の共同購買品に(2014.04.17)
・【現場で役立つ農薬の基礎知識 2014】[2]水稲育苗箱処理剤 多彩な剤、どう選ぶ(2014.02.14)
・作期移行で高温障害防ぐ 土づくりシンポジウム(2013.12.13)
・水稲収穫量818万2000t 全国作況は102(2013.12.12)
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】シロイチモジヨトウ 全道で多発に注意 北海道2025年8月25日
-
【JAの安心・安全な24年産米調査】25年産主食用 作付増加傾向(1)2025年8月25日
-
【JAの安心・安全な24年産米調査】25年産 飼料用米の作付け減少(2)2025年8月25日
-
【JAの安心・安全な24年産米調査】24年産で高温耐性品種の割合増える(3)2025年8月25日
-
水稲用除草剤「ノックアウト楽粒」の効果・作業性は? 2年連続導入の生産者に聞いた 北興化学工業2025年8月25日
-
【人事異動】JA全中(9月1日付)2025年8月25日
-
ひとめぼれの概算金2万8000円 「3000円台で安定供給」 全農いわて2025年8月25日
-
観光地の熱海再生に学ぶ 新たな事業創造の実践【JA全中教育部・ミライ共創プロジェクト】2025年8月25日
-
耕畜連携・資源循環ブランド「3‐R」6周年フェア 広島のみのりカフェで開催 JA全農2025年8月25日
-
特大野菜と岡山県産豚の"晴ればれバーガー"を期間限定販売 JA晴れの国岡山2025年8月25日
-
県のオリジナル新品種「桃太郎トマトシルク」をPR 天満屋ストアでイベント開催 JA晴れの国岡山2025年8月25日
-
【農と杜の独り言】第3回 コンテストが園芸博の特色 千葉大学客員教授・賀来宏和氏2025年8月25日
-
秋元真夏の「ゆるふわたいむ」山梨県で大玉で濃厚な甘みの すもも「皇寿」を収穫 JAタウン2025年8月25日
-
【推しの子】コラボの福島県産もも 好評で追加注文受付開始 JAタウン2025年8月25日
-
北海道産牛乳・チーズを買って当てよう「Choose!&Cheese!キャンペーン」ホクレン2025年8月25日
-
ジャガイモシストセンチュウ類 新たな土壌検査法を開発・検査サービス開始 農研機構2025年8月25日
-
日本の農業技術をインドへ エムスクエア・ラボと共同事業開発契約を締結 誠和2025年8月25日
-
世界初スイッチ型分解ペーパーポット 持続可能な農業資材を開発 ニッテン2025年8月25日
-
化学工学会の粒子・流体プロセス部会主催国際シンポジウム「MMPE2025」に協賛 丸山製作所2025年8月25日
-
LED植物工場で「甘くて栄養価の高いミニトマト」安定生産に成功 東京大学2025年8月25日