雌のカイコに精子 雄化する遺伝子解明2016年9月21日
東京大学大学院新領域創成科学研究科、同院農学生命科学研究科と農研機構は共同研究を行い、カイコを雄にする遺伝子の機能を解明した。これにより、今後は蛾類害虫の不認可などによる害虫防除法の開発に役立つことを期待されている。9月13日に公表した。
これまで、カイコの性はpiRNAと呼ばれる小分子RNAで決まる。この小分子は雌だけがもつW染色体の遺伝子Femで作られ、個体の性を雄にする遺伝子Mascの働きを抑制することが分かっていた。
今回、遺伝子Mascがカイコを雄にする遺伝子であることがわかった。piRNAによる抑制を免れるMasc(MascーR)を人工的に作製し、それをカイコのゲノムに組み込んだ。
結果、図のようにMascーRを持つ雌のカイコは卵巣に精子の束(精子束)が含まれていた。また外部生殖器や腹部の特徴も雄化の傾向がみられた。
このことから、遺伝子Mascがカイコの雄化を引き起こす機能をもつことがわかった。
これまで遺伝子組換えを行ったカイコは閉鎖された空間でしか飼育できなかったが、カイコを不妊化させることで養蚕業などで飼育できる可能性ができた。また農業の害虫である蛾類などの不妊化による防除法の開発にも期待されている。
(図)東京大学大学院新領域創成科学研究科・鈴木雅京准教授提供
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