イネの光合成機能増強で最大3割の増収 東北大学など共同研究で確認2020年2月21日
東北大学、岩手大学、国際農研の共同研究グループは、光合成の炭酸固定酵素ルビスコが約1.3倍量になることで光合成機能を改善した遺伝子組み換えイネが、同じ窒素施肥量のイネに対して最大で28%の増収効果があることを世界で初めて確認した。
東北大学大学院農学研究科附属川渡フィールドセンターの「遺伝子組換え植物隔離ほ場」の全景。
赤線の枠内が、本研究に使用した水田
ルビスコは、光合成のCO2固定を触媒する酵素で、現在の大気中のCO2濃度では、植物の光合成全体の速度を決定していると考えられている。一般的に植物の葉の可溶性タンパク質の50%ほどを占め、地球上で最も多く存在するタンパク質であると推定されている。
今回の研究で、"ルビスコ増強イネ"を作り、東北大学内にある隔離水田ほ場で収量評価試験を行った結果、ルビスコ増強イネは、同じ窒素施肥量において玄米収量が最大で28%増加した。
現在、急激な人口増加によって、世界的な食糧危機が懸念されているが今後、さらに穀物の増収を図るためには、単に高い収量性を示す穀物を育種するのではなく、同じ窒素肥料投与量に対してより高い収量を示す穀物を開発する必要がある。
今回の研究は、2016年から2019年までの4年間、宮城県農政部の視察のもと、厳密に管理された東北大学の「遺伝子組換え植物隔離ほ場」で栽培試験が行われた。自然環境下のほ場で、遺伝子組換え技術を用いて作出された穀物の光合成機能の改善が、収量増加に結び付くことを実証したのは世界で初めてとなる。
同研究で使われたルビスコ増強イネは、遺伝子組換え技術を用いて作出されているため、すぐに農業現場に応用することはできないが、光合成の増強が新しいイネの新品種の開発に応用できることを示したことは意義がある。この研究成果は、世界的な食糧危機回避と地球環境保全に大きく貢献するものと評価されている。
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