イネ根の葉緑体に窒素同化鍵酵素の重要性を発見 国際農研など研究グループ2020年3月23日
筑波大学、東北大学、理化学研究所、国際農研、岐阜大学の研究グループは、イネの窒素同化に欠かせない細胞質型グルタミン合成酵素(GS1)アイソザイムのうち、根で働く2種類の働き方の違いを明らかにした。
窒素は肥料の三大必須栄養素の一つで、植物の生存に不可欠な葉緑素やアミノ酸などの材料となる。植物体内に取り込まれた窒素はアンモニウムに変換された後、グルタミン合成酵素(GS)により、アミノ酸の一種であるグルタミンを作る。
植物は細胞質局在型GS1をコードする遺伝子を複数個持っているが、植物が多数のGS1アイソザイムを持つ理由は明らかにされていなかった。
同研究では、食糧として重要な作物であるイネのGS1アイソザイムの中で、窒素肥料を与える時期として効果的な生育初期段階で発現するOsGS1;1とOsGS1;2に着目。それぞれの遺伝子を破壊した変異型イネを解析した結果、Osgs1;1変異体の根では中心代謝に属する糖類やアミノ酸類の蓄積バランスが崩れるのに対し、Osgs1;2変異体ではアミノ酸類の量のみが減少することが分かった。
これは、OsGS1;1は炭素・窒素代謝の恒常性制御を担っており、OsGS1;2はアミノ酸生合成に影響を与えていることを示す。
さらに、OsGS1;1の働きを抑制すると、光合成を行わない根に葉緑体が形成されることを世界で初めて明らかにした。
葉緑体形成に関係ないと考えられてきた窒素同化および炭素・窒素代謝を制御することで、根に光合成能力を付与する可能性があることを示す成果となった。
同研究の成果は、2月6日付け「Plant Physiology」のオンライン版で公開された。
重要な記事
最新の記事
-
不測事態の食料確保、スマート農業法など3法案 衆院で審議スタート2024年4月25日
-
【注意報】麦類に赤かび病 県内全域で多発のおそれ 滋賀県2024年4月25日
-
【注意報】果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 鳥取県2024年4月25日
-
【注意報】ウメ、モモ、などに果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 和歌山県2024年4月25日
-
【特殊報】キュウリに「キュウリ黄化病」府内で初めて確認 京都府2024年4月25日
-
電動3輪スクーター「EVデリバリー」JA豊橋に導入 ブレイズ2024年4月25日
-
ほ場作業の約9割を自動化するオートコンバイン「YH6135,A7135,A」発売 ヤンマー2024年4月25日
-
むらぐるみの共同労働【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第288回2024年4月25日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】「農村は国の本」~焚書として消された丸本彰造著『食糧戰爭』が復刻された2024年4月25日
-
【JA人事】JA水戸(茨城県)新組合長に園部優氏(4月21日)2024年4月25日
-
【人事異動】フジタ(4月1日付)2024年4月25日
-
米麦水分計PB-Rを新発売 ケツト化学2024年4月25日
-
全国の小学校・児童館に横断旗を寄贈「7才の交通安全プロジェクト」こくみん共済 coop2024年4月25日
-
自然とふれあう農業体験 伊勢崎市で27日に開催 パルシステム群馬2024年4月25日
-
野菜の鮮度保持袋で物流2024年問題解決へ「JAGRI KYUSHU」に出展 ベルグリーンワイズ2024年4月25日
-
粉末化でフードロス解決に挑戦 オンラインセミナー開催 アグリフューチャージャパン2024年4月25日
-
長期保存食「からだを想う野菜スープ」シリーズ新発売 アルファー食品2024年4月25日
-
生産者と寄附者が直接つながる「ポケマルふるさと納税」が特許取得 雨風太陽2024年4月25日
-
焼けた香りや音に満足感「パンの食習慣」アンケート実施 パルシステム2024年4月25日
-
埼玉県産いちごの魅力を伝える「いちごソング」が完成2024年4月25日