【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県下全域で多発のおそれ 高知県2023年8月28日
高知県病害虫防除所は、水稲に斑点米カメムシ類が県下全域で多発のおそれがあるとして、8月25日に令和5年度病害虫発生予察注意報第4号を発令した。
イネカメムシ成虫(写真提供:高知県病害虫防除所)
高知県病害虫防除所によると、8月下旬に実施した普通期稲の出穂期~糊熟期のすくい取り調査(捕虫網50回振り)で、斑点米カメムシ類の発生ほ場率は県下全域で92%と平年(86%)を上回り、特に県東部、中央部、西部においては調査したほ場全てで発生が見られた。また、1ほ場あたりの捕獲頭数は、中央部で49.1頭と、平年(25.7頭)の約1.9倍だった。
イネカメムシ幼虫(写真提供:高知県病害虫防除所)
南国市廿枝の予察灯では、8月第1半旬から第4半旬までの斑点米カメムシ類の誘殺数は、イネカメムシが224頭(平年55.5頭)、ミナミアオカメムシは96頭(同70.7頭)と、平年よりも多かった。穂揃期から乳熟期に斑点米カメムシ類の発生が見られるほ場では斑点米被害を生じる恐れがあるため注意が必要。
ミナミオアカメムシ成虫(写真提供:高知県病害虫防除所)
高松地方気象台が8月24日に発表した四国地方の向こう1か月の気象予報によると、平均気温は平年と比べ高いと予想。今後、斑点米カメムシ類の増殖や活動に好適な条件が続くと考えられる。
ミナミアオカメムシ幼虫(写真提供:高知県病害虫防除所)
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇防除適期である出穂の10日後およびその5~7日後に防除を行う。イネカメムシの発生が多い場合には、出穂期の加害により不稔となる恐れがあるため早急に防除を実施する。また、ミナミアオカメムシは合成ピレスロイド剤の効果が劣るため、同種の発生が見られるほ場では他系統の剤による防除を行う。
〇薬剤については、県の病害虫防除指針(高知県農薬情報システム内に掲載)を参照し、使用時期(収穫前日数)に注意して選定する。防除に当たっては、農薬安全使用基準の遵守および周辺農作物等への飛散防止対策を徹底する。
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