【特殊報】ハナモモ、モモ、ウメ等にモモヒメヨコバイ 県内で初めて確認 静岡県2023年10月5日
静岡県病害虫防除所は、ハナモモ、モモ、ウメ等にモモヒメヨコバイの発生を県内で初めて確認。これを受けて、10月5日に令和5年度病害虫発生予察特殊報第3号を発令した。
図1:ハナモモにおける葉の白化症状図(左)、
図2:被害葉に寄生するヨコバイ類(矢印:ヨコバイ類の成虫)(以下、写真提供:静岡県病害虫防除所)
静岡県病害虫防除所によると、9月に静岡県西部地域の複数のハナモモ生産園地において、葉の白化症状が認められ(図1)、被害葉には多数のヨコバイ類が寄生していた(図2)。
ハナモモ被害葉に寄生しているヨコバイ類の成虫及び幼虫を採集し、静岡県農林技術研究所で確認したところ、県内では未確認のモモヒメヨコバイであることが疑われた。これらヨコバイ類の同定を農林水産省名古屋植物防疫所清水支所に依頼した結果、モモヒメヨコバイ(図3)であることが判明した。
海外においては、中国、台湾、韓国及び北朝鮮での分布が確認されている。国内では、沖縄県での分布が確認されていたが、2019年に和歌山県で確認されて以降、愛知県、神奈川県等の近隣県を含めた計22都府県で発生が確認されている。
国内では、ハナモモ、モモ、スモモ、ウメ、ハナウメ、アンズ、オウトウ等のバラ科植物を加害することが報告されている。また、海外ではナシ、リンゴ等のバラ科植物でも被害の報告がある。
図3:モモヒメヨコバイ成虫(矢印:頭頂部の黒点)(左)、図4:モモヒメヨコバイ幼虫
成虫の体長は3.0~3.5ミリ、体色は黄緑色で複眼は黒く、頭頂部に特徴的な一つの黒点がある(図3)。若齢幼虫の体色は薄い黄色で、終齢幼虫になるにつれて成虫と同じ黄緑色になる(図4)。
成虫及び幼虫が葉を吸汁し、加害部の葉表が小斑点状に白く脱色する。葉全体が吸汁されると白化症状となり(図1)、激しい加害を受けると早期落葉を引き起こす(図5)。被害葉の裏には、幼虫の脱皮殻が付着している場合がある(図6)。国内における本種の発生報告によると、成虫で越冬し、8月以降に被害が多発する場合が多い。
図5:激しい加害によるハナモモの早期落葉(左)、図6:被害葉の裏に付着する脱皮殻
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇現在、ハナモモにおいて同種に登録のある農薬はない。ウメまたは小粒核果類(ウメ、スモモ、アンズ)では、本種に登録のある薬剤を使用して防除する。
〇同種の発生及び被害の早期発見に努め、確認された場合は速やかに寄生葉ごと除去し、袋への密封や埋設する等、適切に処分する。
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