【特殊報】ウメにモモヒメヨコバイ 県内で初めて確認 福井県2024年9月24日
福井県農業試験場は、ウメにモモヒメヨコバイをが県内で初めて確認。これを受けて、9月24日に令和6年度病害虫発生予察特殊報第1号を発表した。
写真1:モモヒメヨコバイ成虫(提供:福井県農業試験場)
福井県農業試験場によると、9月に福井県嶺南地区のウメにおいて葉の吸汁被害が発生。ヨコバイ類の寄生が確認されたため、名古屋植物防疫所伏木富山支所小松空港出張所に同定を依頼した結果、9月13日にモモヒメヨコバイと診断された。福井県内では初めての確認となる。
モモヒメヨコバイは、沖縄県での分布が確認された。2019年に和歌山県のウメで確認されて以降、現在まで27都府県で発生が確認されている。
写真2:葉の黄化(提供:福井県農業試験場)
成虫は、体長33.5mmで、体色は黄緑色から緑色。幼虫は若齢の時は薄い黄色で老齢になるにつれて濃くなり、成虫と同じ緑色になる。複眼は黒く頭頂部に特徴的な黒点がある(写真1)。詳しい生態は明らかにされていないが、成虫で越冬する可能性があり、1年に複数の世代が発生すると考えられる。
幼虫・成虫が葉を吸汁することで加害し、葉がかすり状に白く脱色しやがて黄化する(写真2)。被害量が多いと早期落葉し、翌年の樹勢、収量への影響があると考えられる。被害葉の裏側には幼虫の白い脱皮殻が付着していることが多い(写真3)。
写真3:被害葉の裏側(提供:福井県農業試験場)
国内ではウメ、モモ、ハナモモ等のバラ科の果樹や花木への加害が確認されており、海外ではナシ、リンゴ、ポポー等への加害も報告されている。
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇圃場内をよく見回り、発生・被害の早期発見に努め、初期発生の場合は速やかに寄生葉ごと除去しビニール袋に密封し死滅させるなど、圃場外へ持ち出して適切に処分する。
〇モモヒメヨコバイに登録のある薬剤で防除し、農薬使用の際は必ずラベルの記載事項を確認し、使用基準を遵守する(表)。
〇通常の薬剤防除を行っている生産園地では、本種による大きな被害はこれまでに確認されていないが、近くに管理不足の園地など増殖源となりそうな樹がある場合は、地域で声をかけあって面的な防除対策を行う。
〇初発を見逃さないために、春先から注意して観察する。
表:モモヒメヨコバイに登録のある農薬(9月18日現在)
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