【特殊報】トマトキバガ 県内で初めて確認 埼玉県2024年10月21日
埼玉県病害虫防除所は、県内未発生のトマトキバガの誘殺を県内に設置した性フェロモントラップにおいて確認。これを受けて、10月18日に令和6年度病害虫発生予察特殊報第1号を発表した。
写真:フェロモントラップに誘殺された雄成虫(提供:埼玉県病害虫防除所)
埼玉県病害虫防除所によると、10月2日に県内5地点に設置したトマトキバガ侵入調査用のフェロモントラップのうち2地点において、同種と疑われる成虫が複数誘殺された(写真)。農林水産省横浜植物防疫所に同定を依頼したところ、埼玉県で未発生のトマトキバガと同定された。
県内の農作物におけるトマトキバガ幼虫の発生及び被害は認められていない。
トマトキバガは、国内では2021年10月に熊本県で確認されて以降、フェロモントラップ調査等によって、関東の一部の県を除き、これまでに埼玉県を含めて合計45都道府県で誘殺が確認されている。
成虫は、開張約10mm、前翅長約5mm。前翅は灰褐色の地色に黒色斑が散在。後翅は一様に淡黒褐色、翅頂下でえぐれる。終齢幼虫の体長は約8mm。体色は淡緑色~淡赤白色。頭部は淡褐色。前胸の背面後方に細い黒色横帯が確認できる。
成虫は夜行性で、日中は葉の間に隠れていることが多い。1年に複数世代が発生するため、繁殖力が非常に強いことが知られている。
トマトでは、葉の内部に幼虫が潜り込んで食害し、葉肉内に孔道が形成される。食害部分は表面のみを残して薄皮状になり、白~褐変した外観となる。果実では、幼虫が穿孔侵入して内部組織を食害するため、果実表面に数ミリ程度の穿孔痕が生じるとともに食害部分の腐敗が生じる。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇ほ場内をよく見回り、見つけ次第捕殺する。トマトキバガと疑われる害虫や食害を発見した場合は、速やかに埼玉県病害虫防除所まで連絡する。
〇被害葉や被害果等を発見した場合はほ場に放置せず、土中深くに埋めるか、ビニル袋等に入れて密封することで、成幼虫を死滅させたうえで、適切に処分する。
〇施設栽培では、出入口のほか、側窓や天窓等の開口部に防虫ネットを展張する。
〇トマトまたはミニトマトでは、トマトキバガに登録のある防除薬剤を使用する。なお、農薬を使用する際は必ず最新の情報を確認し、使用基準を遵守する。
〇薬剤抵抗性の発達を防ぐため、系統(IRACコード)が異なる薬剤でローテーション散布を行う。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(146)-改正食料・農業・農村基本法(32)-2025年6月14日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(63)【防除学習帖】第302回2025年6月14日
-
農薬の正しい使い方(36)【今さら聞けない営農情報】第302回2025年6月14日
-
群馬県の嬬恋村との国際交流(姉妹)都市ポンペイ市【イタリア通信】2025年6月14日
-
【特殊報】水稲に特定外来生物のナガエツルノゲイトウ 尾張地域のほ場で確認 愛知県2025年6月13日
-
【注意報】りんごに果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 岩手県2025年6月13日
-
SBS輸入 3万t 6月27日に前倒し入札2025年6月13日
-
米の転売 備蓄米以外もすべて規制 小泉農相 23日から2025年6月13日
-
46都道府県で販売 随意契約の備蓄米2025年6月13日
-
価格釣り上げや売り惜しみ、一切ない 木徳神糧が声明 小泉農相「利益500%」発言や米流通めぐる議論受け2025年6月13日
-
担い手への農地集積 61.5% 1.1ポイント増2025年6月13日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】生産者米価2万円との差額補填制度を急ぐべき2025年6月13日
-
井関農機 国内草刈り機市場を本格拡大、電動化も推進 農機は「密播」仕様追加の乗用田植え機「RPQ5」投入2025年6月13日
-
【JA人事】JA高岡(富山県)松田博成組合長を新任(5月24日)2025年6月13日
-
【JA人事】JAけねべつ(北海道)北村篤組合長を再任(6月1日)2025年6月13日
-
(439)国家と個人の『食』の決定権【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年6月13日
-
「麦とろの日」でプレゼント 東京のららぽーと豊洲でイベントも実施 JA全農あおもり2025年6月13日
-
大学でサツイマイモ 創生大学と畑プロジェクト始動 JA全農福島2025年6月13日
-
JA農機の成約でプレゼントキャペーン JA全農長野2025年6月13日
-
第1回JA生活指導員研修会を開催 JA熊本中央会2025年6月13日