【特殊報】アブラナ科野菜にケブカニセノメイガ県内で初めて確認 島根県2025年1月9日
島根県病害虫防除所は、アブラナ科野菜にケブカニセノメイガ(旧和名:ケブカノメイガ)の発生を県内で初めて確認。これを受けて、1月9日に令和6年度病害虫発生予察特殊報第2号を発表した。
島根県病害虫防除所によると2024年9月中旬、県西部の露地栽培キャベツにおいて、葉の裏面にうろこ状の卵塊を確認した(図1)。この卵塊を採集し飼育後、農林水産省神戸植物防疫所に同定依頼したところ、10月30日に島根県では未発生のケブカニセノメイガと同定された。なお、その後の被害は確認されておらず、周辺ほ場においても発生は確認されていない(2024年12月12日現在)。
国外では、台湾、東南アジアおよびインドなどの熱帯~亜熱帯に広く分布する。同種の幼虫は主にアブラナ科を加害し、東南アジアではアブラナ科野菜の重要害虫となっている。
国内では、1987年に沖縄県の石垣島において幼虫によるアブラナ科野菜の被害が初確認され、1989年以降には定着し、夏期のアブラナ科野菜の害虫となった。また、1990年には静岡県でも発生が確認されている。以降は愛知県、兵庫県と相次いで発生が確認され、近年では2010年に東京都で、2016年には鹿児島県でそれぞれ特殊報が発表されている。
幼虫は葉上で少量の糸を吐き、わずかに葉を綴って生息する。若齢幼虫は太い葉脈や中肋を残して集団で食害し、特にアブラナ科野菜等では成長点付近を食害するため被害は大きい。キャベツでは、1株から老熟幼虫が50頭も確認された報告がある。
アブラナ科野菜のほか、ウリ科やキク科の野菜に加え、クレオメ(フウチョウソウ科の草花)等も食害する。
幼虫の体長は終齢で約15mmとなる。体色は淡緑色~暗緑色で頭部は淡褐色。背線と亜背線の3本は細く白い。各節に3対の黒点(刺毛基板)が目立つ(図2)。蛹は体長約10mmの薄い茶褐色で、葉上や地表面で葉や土を巻き込んだ繭を作る。
成虫の開長は22~24mm、前翅の地色は黄褐色で、中央よりやや外側に顕著な2個の白い斑点がある。雄の前翅基部寄りの前縁付近には黒褐色の束毛があり、和名の由来となっている(図3)。卵は数十個からなるうろこ状の卵塊で、主に葉裏に産み付けられる。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
(1)現在、ケブカニセノメイガに対しての登録薬剤はない。
(2)同種は卵塊で産み付けられ若齢幼虫は集団で生息しているため、発生初期は局所的。早期発見に努め、発生を確認した株は抜き取り処分する。
重要な記事
最新の記事
-
路線バスを使おう【消費者の目・花ちゃん】2025年1月11日
-
シンとんぼ(124) -改正食料・農業・農村基本法(10)-2025年1月11日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (41) 【防除学習帖】第280回2025年1月11日
-
農薬の正しい使い方(14)【今さら聞けない営農情報】第280回2025年1月11日
-
R・ケネディ・ジュニア氏が米国農務省長官顧問に指名された意味(2) 国際ジャーナリスト 堤未果氏2025年1月10日
-
鳥インフル 愛知県で続発22、23、24例目2025年1月10日
-
農地面積 1.1万ha減 目標面積下回る 2023年2025年1月10日
-
米価の見通し「高くなる」判断 過去最高値の「76」 米穀機構2025年1月10日
-
今年の一文字は「進」 山野JA全中会長2025年1月10日
-
(417)100年の流れ【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年1月10日
-
JA貯金残高 108兆6262億円 11月末 農林中金2025年1月10日
-
鳥インフル 米イリノイ州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年1月10日
-
高校生が和牛飼育の取り組み競う「第8回和牛甲子園」16日から開催 JA全農2025年1月10日
-
愛知県産バラで新年を祝う「新春 バラ花束25%OFFキャンペーン」開催中 JAタウン2025年1月10日
-
「博多あまおう」5%OFF「あけおめ!あまおめ!新春セール」開催 JAタウン2025年1月10日
-
本日10日は「魚の日」福島県常磐沖産ひらめ漬け丼など特別価格で販売 JAタウン2025年1月10日
-
濃厚な甘さと豊かな香り「岐阜県産いちご『濃姫』フェア」12日から開催 JA全農2025年1月10日
-
焼き芋やスイーツを堪能「三島甘藷祭り」JA直売所などで開催 JAふじ伊豆2025年1月10日
-
産地直送通販サイト「JAタウン」新規会員登録キャンペーン実施中 JA全農2025年1月10日
-
ホスピス在宅「ビーズの家」運営のbeadsへ出資 農林中金キャピタル2025年1月10日