地上部生長から育種ほ場のテンサイ糖収量を予測 農研機構×東京大学2025年1月22日
農研機構と東京大学大学院農学生命科学研究科は、ドローンで撮影したテンサイ育種ほ場の連続撮影画像を使い、育種ほ場を3Dで再現した。テンサイ地上部の生長情報を大規模かつ効率的に把握できるようになり、その結果、地上部データに基づく地下部の糖収量を精度よく予測。この技術により、ほ場全体の糖収量が収穫前に試験区単位で予測できるため、品種開発が大幅に効率化することが期待される。
UAVで連続撮影した画像から3D再構築したテンサイの育種ほ場(2021年)
農研機構と東京大学は、無人航空機(UAV=ドローン)にRGBカメラを搭載し、テンサイ育種ほ場の上空を移動連続撮影。取得したデジタル画像情報から3D再構成技術を用いて育種試験ほ場のデジタル情報を取得した。
この技術を使うことで地上部のデータを広範囲かつ経時的に取得することが可能となった。テンサイの糖収量を決める根重や根中糖度は、地上部の茎葉の展開程度及び茎葉の総量と関連する。この手法で得られた地上部の大規模データと地下部の根重や根中糖度の関係を解析した結果、栽培中の地上部のデータから収穫後の糖収量を正確に予測することが可能となる。
テンサイは砂糖の原料作物で、品種開発においては、地下部の糖収量が重要な選抜指標となり、これまでは地下部を一本ずつ掘り取り、計測して糖収量を求めていた。これまで地上部の生育情報から根重を予測する手法もあったが、人手により大規模な生育データを収集するのは難しく、従来法では精度が不十分だった。
今回開発した技術を用いることで、ほ場全体の糖収量が収穫前に試験区単位で予測できるため、糖収量を指標とした育種選抜が容易になり、テンサイの品種開発を大幅に効率化することが期待される。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(146)-改正食料・農業・農村基本法(32)-2025年6月14日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(63)【防除学習帖】第302回2025年6月14日
-
農薬の正しい使い方(36)【今さら聞けない営農情報】第302回2025年6月14日
-
群馬県の嬬恋村との国際交流(姉妹)都市ポンペイ市【イタリア通信】2025年6月14日
-
【特殊報】水稲に特定外来生物のナガエツルノゲイトウ 尾張地域のほ場で確認 愛知県2025年6月13日
-
【注意報】りんごに果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 岩手県2025年6月13日
-
SBS輸入 3万t 6月27日に前倒し入札2025年6月13日
-
米の転売 備蓄米以外もすべて規制 小泉農相 23日から2025年6月13日
-
46都道府県で販売 随意契約の備蓄米2025年6月13日
-
価格釣り上げや売り惜しみ、一切ない 木徳神糧が声明 小泉農相「利益500%」発言や米流通めぐる議論受け2025年6月13日
-
担い手への農地集積 61.5% 1.1ポイント増2025年6月13日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】生産者米価2万円との差額補填制度を急ぐべき2025年6月13日
-
井関農機 国内草刈り機市場を本格拡大、電動化も推進 農機は「密播」仕様追加の乗用田植え機「RPQ5」投入2025年6月13日
-
【JA人事】JA高岡(富山県)松田博成組合長を新任(5月24日)2025年6月13日
-
【JA人事】JAけねべつ(北海道)北村篤組合長を再任(6月1日)2025年6月13日
-
(439)国家と個人の『食』の決定権【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年6月13日
-
「麦とろの日」でプレゼント 東京のららぽーと豊洲でイベントも実施 JA全農あおもり2025年6月13日
-
大学でサツイマイモ 創生大学と畑プロジェクト始動 JA全農福島2025年6月13日
-
JA農機の成約でプレゼントキャペーン JA全農長野2025年6月13日
-
第1回JA生活指導員研修会を開催 JA熊本中央会2025年6月13日