【注意報】さとうきびにメイチュウ類西表島、小浜島で多発のおそれ 沖縄県2025年3月31日
沖縄県病害虫防除技術センターは、さとうきびにメイチュウ類(イネヨトウ及びカンシャシンクイハマキ)が西表島、小浜島で多発のおそれがあるとして、3月25日に令和6年度病害虫発生予察注意報第8号を発表した。
沖縄県病害虫防除技術センターによると、3月上旬、西表島において新植夏植えほ場10地点で芯枯茎調査を実施した結果(図1左)、芯枯茎率は17.5%だった。この値は、国が定める発生予察調査実施基準における発生程度別基準では「多」に該当する値で、発生ほ場率は100%。芯枯茎の切開調査の結果、確認されたメイチュウ類幼虫は全てイネヨトウだった。
図1:被害ほ場の様子(左:西表島右:小浜島)(提供:沖縄県病害虫防除技術センター)
3月上旬、小浜島において新植夏植えほ場10地点で芯枯茎調査を実施した結果(図1右)、芯枯茎率は27.3%。この値は、国が定める発生予察調査実施基準における発生程度別基準では「甚」に該当する値で、発生ほ場率は100%。芯枯茎の切開調査の結果、確認されたメイチュウ類幼虫は全てイネヨトウだった。
<発生生態および被害>
(1)メイチュウ類共通
a:被害ほ場およびイネ科雑草が発生源となり、ほ場に侵入する。
b:ふ化幼虫は葉鞘の内側を下降して節部の芽や根帯から食入し、生長点を加害して芯枯れ(図2)を起こす。
図2:芯枯れ茎(提供:沖縄県病害虫防除技術センター)
(2)カンシャシンクイハマキ(図3)
図3:カンシャシンクイハマキ幼虫(提供:沖縄県病害虫防除技術センター)
a:沖縄では年6~7世代を重ね、周年発生する。
b:卵は葉や茎に1~数卵ずつ産み付けられ、1雌当たりの生涯産卵数は200~500卵に達する。
c:被害はほ場内に散在的に発生する。
(3)イネヨトウ(図4)
図4:イネヨトウ幼虫(提供:沖縄県病害虫防除技術センター)
a:沖縄では年5~7世代を重ね、周年発生する。
b:卵は葉鞘の裏側に卵塊で産み付けられ、1雌当たりの生涯産卵数は400~700卵に達する。
c:初期被害はほ場周縁部で見られ、ほ場内でスポット状や畝に沿って被害が拡大する。被害が集中的に起こるため、生育初期に加害されると坪枯れを起こすこともある。
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
(1)ほ場および周辺の除草を徹底する。
(2)培土時に土壌害虫の防除を兼ねた薬剤(粒剤)を施用する。
(3)茎葉への水和剤等の散布は、葉鞘内に薬液が十分に行き届くように丁寧に散布する。MEP単独成分の剤は感受性低下の報告があるため、他の剤を中心に散布する。
(4)薬剤防除後、2~3週間をおいて再度防除を行うことで防除効果が高まる。
(5)被害の多い地域では薬剤による一斉防除を行う。
※農薬の使用にあたっては、ラベルをよく読み、登録内容を確認して正しく使用する。
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