【特殊報】スイカ黒点根腐病 県内で初めて確認 福島県2025年8月28日
福島県病害虫防除所は、スイカ黒点根腐病をが県内のほ場で初めて確認。これを受けて、8月28日に令和7年度病害虫発生予察特殊報第1号を発表した。
(提供:福島県病害虫防除所)
福島県病害虫防除所によると、7月に福島県県北地方のスイカ栽培ほ場で、株の萎凋及び枯死症状を確認した(写真1、2)。福島県農業総合センター生産環境部において、同植物体の根部を観察したところ、根の褐変と表面に多数の小黒点の形成を確認。子のう胞子が多数確認され(写真3、4)、スイカの症状や子のう胞子の形態的特徴から、スイカ黒点根腐病であることが判明した。
(提供:福島県病害虫防除所)
現在のところ、同病は県北地方の複数のスイカほ場で発生が確認され、ほ場外に持ち出し、適切に処分されている。発生しているほ場では、5割程度減収となっている。
この病原菌は、1979年に山形県でメロン黒点根腐病として初めて確認され、1992年に千葉県でスイカ黒点根腐病として初めて確認された。スイカ黒点根腐病については、長野県、神奈川県、新潟県から特殊報が発表されている。
病徴として地上部は、収穫期を迎えた頃から急激に萎凋症状がみられ、下葉から黄化し、葉が枯死する。根は、初めに細根が腐敗脱落し、残った根は飴色に腐敗。症状が進むと根上に直径0.3mm程度の小黒点(子のう殻)が形成される。この小黒点は、根端部に観察されることが多く、診断に際しては株元から半径30cm程度の範囲の根を丁寧に集めることが望ましい。
病原菌は、培地上では1037℃で生育し、最適温度は30℃前後と高め。罹病株の根部に子のう殻を形成し、これが土壌中に長く残り伝染源となる。子のう胞子は土壌中に5年以上生存するという報告がある。子のう胞子が発芽して菌糸を伸ばし、根から作物に侵入。種子伝染はしないといわれている。
同病原菌(Monosporascus cannonballus)は、キュウリ、メロン、スイカ、ユウガオ、トウガン、シロウリ等のウリ科作物を特異的に侵す。
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
(1)発病株は抜き取り、ほ場外で埋却等の処分をする。残根処理は丁寧に行う。
(2)同病が発生したほ場の耕起、整地に使用した管理作業機は、そのまま無病ほ場に使用すると付着した土壌によって汚染される恐れがあるため、作業機に付着した土壌は丁寧に洗い落す。
(3)発生ほ場では連作を避け、ウリ科植物以外の作物を栽培する。
(4)同病に適用のある土壌くん蒸剤(ソイリーンを使用し、土壌消毒を実施する。
重要な記事
最新の記事
-
「TACの提案が重要」持続可能な農業のけん引役に JA全農耕種総合対策部・岩田和彦次長に聞く2025年12月1日 -
「農業」「くらし」「地域」「漁業との連携」で優良事例を共有 JAバンク経営者フォーラム 農林中金2025年12月1日 -
12月の野菜生育状況と価格見通し トマト、たまねぎなど平年を上回る見込み 農水省2025年12月1日 -
スーパーの米価 2週ぶりの上昇 5kg4312円2025年12月1日 -
神奈川県産米から誕生「湘南はるみライスウイスキー」販売開始 JAタウン2025年12月1日 -
幻のりんご「広島県産高野りんごフェア」14日まで開催中 JA全農2025年12月1日 -
愛媛オリジナル柑橘「愛媛県産紅まどんなフェア」20日まで開催 JA全農2025年12月1日 -
みやぎ応援ポケモン「ラプラス」コラボ 仙台名産「笹かまぼこ」登場 JAタウン2025年12月1日 -
JAタウンで「福袋」販売開始 年末年始にお得な福袋を多数品揃え2025年12月1日 -
新生活応援「お米5kgプレゼントキャンペーン」実施 ジェイエーアメニティーハウス2025年12月1日 -
VIPユニフォームを岩崎学園の学生がデザイン 2027年国際園芸博覧会協会2025年12月1日 -
飲食料品値上げ 2025年は2万609品目で2年ぶり2万品目超 帝国データバンク2025年12月1日 -
「NIPPON FOOD SHIFT FES.東京2025」に出店 新米の量り売りとオリジナル米袋制作体験を実施 アサヒパック2025年12月1日 -
第23回JA祭開催 JAかみましき2025年12月1日 -
北海道オープンイノベーションプログラム第3期に採択 輝翠2025年12月1日 -
スペインからの豚肉等 輸入を一時停止 農水省2025年12月1日 -
鳥インフル オランダからの生きた家きん等 輸入を一時停止 農水省2025年12月1日 -
助成総額384万円 2025年度「くらし活動助成基金」贈呈式開催 パルシステム茨城 栃木2025年12月1日 -
宮崎県学校給食会、JA ARUniCoと包括的連携協定を締結 東洋ライス2025年12月1日 -
グッドデザイン賞の「パルシステム給付型奨学金」奨学生新たに12人決定2025年12月1日


































