【注意報】ハスモンヨトウの誘殺数が急増 早期防除の徹底を 福島県2025年8月29日
福島県病害虫防除所は、野菜類・花き類にハスモンヨトウが県内全域で多発のおそれがあるとして、8月28日に令和7年度病害虫発生予察注意報第3号を発表した。
福島県病害虫防除所によると、フェロモントラップでの誘殺数は、相馬市で8月3半旬に229頭確認され、平年（18.8頭）の12.2倍。いわき市では、8月4半旬に167頭確認され、平年（14.5頭）の11.5倍となった。また、中通り地方でも誘殺数が急増している。
8月上中旬に、浜通り地域のトルコギキョウおよび中通り地域のキュウリにおいて、同種による被害を確認している。平年のフェロモントラップの誘殺ピークは9～10月に見られることから、今後も発生量が増加し、被害が拡大するおそれがある。
（提供：福島県病害虫防除所）
ハスモンヨトウは広食性で、多くの農作物を加害する（写真1）。特に被害が懸念される園芸品目としては、イチゴ、トマト、トルコギキョウ、キクなど。同種は卵塊で産卵し、若齢幼虫は集団で葉肉を食害するため、表皮のみを残し、葉が白くなる（写真2、3）。
（提供：福島県病害虫防除所）
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
今後、さらに発生が増加するおそれがある。また、ハスモンヨトウは休眠しないことから、加温施設内に侵入すると冬期間も加害する。
（1）施設栽培では、開口部に目合い4mm以下の防虫ネットを設置し成虫の侵入を防ぐ。なお、防虫ネット上に産卵し、孵化した幼虫が施設内に侵入することがあるため注意を。
（2）ほ場をよく観察し、幼虫は見つけ次第捕殺すること。
（3）イチゴでは、育苗中の株に幼虫による食害痕及び寄生が無いかよく観察を。食害及び寄生が確認された場合には、速やかに防除し、定植時に施設内へ持ち込まないようにする。
（4）幼虫の齢期が進むと薬剤が効きにくくなるため、若齢期のうちに薬剤散布する（写真4）。
（提供：福島県病害虫防除所）
（5）葉裏や株元など薬剤のかかりにくい部位にも寄生するため、薬剤は丁寧に散布する。
（6）薬剤抵抗性が発達するおそれがあるため、同一系統の薬剤の連用を避け、ローテーション散布をする。
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