直播向け種子「リゾケアXL」2021年販売開始-シンジェンタジャパン2020年11月26日
シンジェンタジャパン(株)は2021年から水稲湛水直播向けコーティング処理済み種子「リゾケアXL」を発売する。直播でも苗立ちがいいのが特徴だ。地域の水田農業を担う大規模生産の効率化や中山間地域の省力化への貢献が期待される。
ドローンと「リゾケアXL」種子
同製品は独自の種子処理技術で苗立ちを安定させるのが大きな特徴で、そのための酸素供給剤「オクソスDS」のほか、苗腐病を防除する「スクーデリアES」、初期の害虫から苗を守る「フォルテンザFS」をコーティング処理した種子。
湛水直播では浮き苗になりやすいが、コーティング層(オクソスDS)が錘となり浮き苗を防止する。土に埋まって還元障害を受けやすい状態でもオクソスDSから供給される酸素の力で苗立ちを安定化させる。
また、田面の凹凸で水たまりができて苗腐病にかかる懸念もあるが、コーティング層に配合された殺菌成分(スクーデリアES)が苗腐病を防除する。さらに配合されている殺虫剤フォルテンザFSはイネミズゾウムシなどに優れた効果を発揮するため初期害虫から稲を守る。コーティングでこうしたトリプル効果を発揮する。
水稲移植栽培は10aあたり80~100kgの苗箱が必要となるが、リゾケア直播であれば3.8~4.5kgのコーティング種子の播種で済み重労働を軽減する。また、これまでの直播栽培は苗立ちを得るために田面の調整が必要だが、リゾケアでは田面の仕上げに左右されずに安定した苗立ちが実現できるという。播種方法もドローン、背負式動力散粒機、乗用播種機など所有する機械や圃場の大きさに応じて選ぶことができる。水稲生産は少子高齢化による人材不足解決のため農地の集約化と労働時間の軽減など省力化が求められている。
リゾケアはイタリア語の米「Riso」とシンジェンタ種子処理技術「Seedcare」からの造語。同社は「種が本来持つパワーを最大限発揮して収穫につなげるとともに、持続可能な農業を実現するソリューション」と強調している。
2021年から東日本の一部地域でテスト販売し、22年からは生産者から種子を預かってコーティング処理し供給するサービスを開始。現在の湛水直播面積2.3万haを10年後に10万haの普及を目標としている。販売規格はコーティング種子重量15kg(乾もみ重量10kg相当)。
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