国産大豆使用が可能に "大豆そのまま大豆ミート"に加工 新技術を開発 菱熱工業2022年8月2日
空調衛生設備等のエンジニアリング・コンサルティング・設計・製造などを手がける菱熱工業(東京都大田区)は、大豆を脱脂粉にせず未搾油のまま「大豆ミート」に加工できる新技術「大豆まるごと製法RyonetsuVer1.0」を開発。同社が開発・販売する専用製造機「大豆ミートプロセッサー」に特殊な機能を追加し、供用を開始した。
大豆ミート専用製造機「大豆ミートプロセッサー」
食肉の代替たんぱくとして注目を集める大豆ミートは、食品メーカーが商品開発を競っているが、味や価格がネックとなりなかなか普及が進んでいない。同社はその理由として、従来の大豆ミートが、主に脱脂大豆粉を原料にしていることが大きな原因と考え、大豆からそのまま大豆ミートに加工できる新製法を開発した。
大豆ミートの原料である脱脂大豆粉は、大豆油を搾った後の粉末。脱脂大豆粉の製造業者から大豆ミートへの加工業者へ、さらに食品メーカーが仕入れて商品に加工、という段階を踏むため、店頭に並ぶ大豆ミート商品は味や価格が既製の脱脂大豆粉や大豆ミートに縛られやすい。また、脱脂大豆粉の多くは輸入大豆を有機溶剤で処理しており、食品メーカーからは「国産大豆を使えないか」「脱脂せずに大豆ミートを製造できないか」という声も聞かれる。

一方、同社においては「大豆ミートプロセッサー」による大豆ミートの製造工程でも高温・高圧処理をするために、原料が油分を含んでいると機械吐出部から噴き出してしまうという問題があった。同社は約1年かけて研究を進め、2021年7月に発売した専用製造機「大豆ミートプロセッサー」の部品を改良することで、脱脂していない大豆でも大豆ミートに加工できる技術の開発に成功した。
改良ポイントの一つは、「大豆ミートプロセッサー」に内蔵するスクリューで、水を加えた原料を均一に混ぜ、練り込んで加熱する工程において、回し方や原料の供給量、温度などを工夫した。もう一つは、機械の吐出部にある「チャネラー」と呼ばれる成型器で、大豆ミートの形や硬さを決める役割を果たすが、原料が油分を含んでいても滑らずに加工ができるようにした。
脱脂大豆粉を使った従来の大豆ミートと異なり、大豆から作る大豆ミートには油分が残っているため、うまみが出て、品種や産地による違いを楽しめる。食感は鶏肉や豚肉に近く、麺やササミ、ツナマヨなど肉に限らずアイデア次第で広い用途が期待できる。また、乾燥大豆をそのまま利用できるため、脱脂や粉末にする工程が不要になる分、製造コストも抑えられる。大豆ミートの原料となる大豆の産地を明示でき、商品の「安心・安全」をアピールできる。
さらに、地元大豆を原料とすることで、6次産業や地域ブランド化も可能。同社では、食品メーカーだけでなく、大豆産地のJAや地域の企業・団体が地元の大豆を大豆ミート商品に加工し特産品として売り出したり、大豆を在庫に持つ味噌、豆腐のメーカー・販売店が独自の大豆ミート商品を開発するなどの利用法も想定している。
同社は、大豆ミート商品の研究・開発をめざす企業を対象に、大豆ミートプロセッサーを使って試作を手伝う「試作プログラム」(1回15万円から、税別)を実施中。今回の新技術を試作に利用したい企業には、大豆ミートプロセッサーの購入を前提に、新設する「プレミアムプラン」(1回50万円、材料費込み、税別)で対応する。問い合わせは(電話)03-3778-2118。
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