クマハギなど被害対策に 生分解性テープ「土、帰るテープ」新発売 松浦産業2024年4月2日
袋用取っ手の国内トップメーカーの松浦産業(香川県善通寺市)は4月1日、微生物の力で分解される生分解性テープ「土、帰るテープ」を新発売。林業におけるクマ剥ぎ・シカ剥ぎなどの樹木被害対策や農作物の害獣被害対策として活用できる。
山林での「土、帰るテープ」の試用実験
同製品は"自然環境に優しい自社最高のテープをつくる"という開発理念のもと、石油由来でなく100%植物性の生分解樹脂を使用。独自配合したさとうきび由来で作られた生分解性プラスチックPLA(ポリ乳酸、polylactic acid)で作られている。増加する林業や農業の害獣被害とその対策で使われたテープの山林ゴミなどの課題の解決にもつながる。
「クマ剥ぎ」は、ツキノワグマがスギやヒノキなどの樹皮をはいで歯や爪で傷つけたり、幹の内部を食べる樹木被害で、樹齢が長い優良木が対象となることが多く、4~7月の春先から初夏に多く発生。西日本に多いといわれていたが、親子間継承・耕作放棄地の増加による生息域の拡大、個体増や気候変動による食糧不足などで被害は全国的に拡大・増加傾向にある。また、ニホンジカの分布拡大に伴い、食料摂取のための「シカ剥ぎ」も日本各地で問題となっている。
物理的な防除としては、樹木に荷造りテープをらせん状に巻き付ける「テープ巻」が一つの有効な手段。爪や牙・角にテープが絡まることなどでクマやシカが嫌がるが、一方で、経年劣化によってちぎれたり、害獣に剥がされて散乱したテープが山林ゴミとなる環境への影響も懸念される。
新発売の「土、帰るテープ」
生分解性プラスチックを素材とした「土、帰るテープ」は、100%生分解のテープの構想開始から約5年をかけ、テープの強度などの品質と環境基準にあわせた配合を試行錯誤して開発された環境配慮型製品。微生物分解性により使用後の環境負荷低減につながる生分解性プラスチックは、機能的には通常のプラスチックと同様に使える。使用後は自然界に存在するバクテリアの働きで、最終的に水と二酸化炭素に分解され自然界へと循環するプラスチックで、廃棄物の回収が不要。プラスチックゴミの発生抑制に繋がる。
同製品は、さとうきび由来の植物性生分解樹脂PLAが主原料。様々なコンパウンドの試作を繰り返し、植物性生分解樹脂の使用率を100%にすることを可能にした。
なお、同製品の開発費捻出のため、新かがわ中小企業応援ファンド等事業が行う令和5年度の助成対象事業に申請し、採択された。
◎「土、帰るテープ」製品概要
価格:1巻2500円(税別)
カラー:白・赤・青の3種
仕様:115mmΦ×50mm 400m巻
素材:生分解性プラスチック
販売先:松浦産業楽天市場店
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(140)-改正食料・農業・農村基本法(26)-2025年5月3日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(57)【防除学習帖】第296回2025年5月3日
-
農薬の正しい使い方(30)【今さら聞けない営農情報】第296回2025年5月3日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】「盗人に追い銭」「鴨葱」外交の生贄にしてはならぬ農産物2025年5月2日
-
【2025国際協同組合年】情報を共有 協同の力で国際協力 連続シンポスタート2025年5月2日
-
イネカメムシが越冬 埼玉、群馬、栃木で確認 被害多発の恐れ2025年5月2日
-
九州和牛をシンガポール人に人気のお土産に 福岡空港で検疫代行サービスを開始 福岡ソノリク2025年5月2日
-
就労継続支援B型事業所を開設し農福連携に挑戦 有機農家とも業務提携 ハピネス2025年5月2日
-
宮崎ガス「カーボン・オフセット都市ガス」 を県庁などに供給開始 農林中金が媒介2025年5月2日
-
5月29日から「丸の内 日本ワインWeeks2025」開催 "日本ワイン"を学び、楽しむ3週間 三菱地所2025年5月2日
-
協同心の泉 大切に 創立記念式典 家の光協会2025年5月2日
-
【スマート農業の風】(14)スマート農業のハードルを下げる2025年5月2日
-
(433)「エルダースピーク」実体験【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年5月2日
-
約1cm程度の害虫を強力捕獲「吊るしてGET虫ミニ強力タイプ」新発売 平城商事2025年5月2日
-
農中情報システム 自社の導入・活用のノウハウを活かし「Box」通じたDX支援開始2025年5月2日
-
洗車を楽しく「CRUZARD」洗車仕様ホースリールとノズルを発売 コメリ2025年5月2日
-
戦後80年の国際協同組合年 世代超え「戦争と平和」考える パルシステム神奈川2025年5月2日
-
生協の「地域見守り協定」締結数 全市区町村数の75%超の1308市区町村に到達2025年5月2日
-
ムコ多糖症ニホンザルの臨床徴候改善に成功 組換えカイコと糖鎖改変技術による新型酵素2025年5月2日
-
エフピコ×Aコープ「エコトレー」など積極使用で「ストアtoストア」協働を拡大2025年5月2日