イチゴ優良苗の大量培養技術 埼玉農業大賞「革新的農業技術部門」で大賞受賞 第一実業2024年11月22日
第一実業株式会社は、イチゴ優良苗の大量培養技術が、埼玉県主催の埼玉県農業大賞「革新的農業技術部門」で大賞を受賞。11月16日に開かれた「2024彩の国食と農林業ドリームフェスタ」 の開催記念式典で行われた表彰式で埼玉県の大野元裕知事から表彰状を授与された。

16日に行われた表彰式
埼玉県農業大賞は、埼玉県内で農業の模範となる優れた経営を実践し、地域農業の振興や社会の活力向上に貢献している農業者や企業を表彰するもの。「革新的農業技術部門」は、特にテクノロジーを活用し、埼玉県の農業に変革をもたらす、革新的な農業モデルを創出している企業などが対象となる。
第一実業が、埼玉県毛呂山町で運営する「第一実業ベリーズファーム」では、イチゴ苗の生産において管理された閉鎖型の施設内で培養苗生産体制を確立。この技術により、一般的な手法と比較し数百倍の増殖速度を実現している。

メリクリーン苗
育苗作業はイチゴ生産者にとって重要かつ負担の大きい作業だが、この技術を用いた「メリクリーン苗」は、小苗であるため生産者へ効率的に輸送でき、設備費用や労力を大幅に削減できる。今回の受賞では、イチゴ苗の供給増加により、生産者は優良苗の確保が容易となり、埼玉県育成品種の生産拡大が期待されることが評価された。
「メリクリーン苗」の生産は、ランナーの先端の若葉をめくり、その中にある生長点と呼ばれる0.3~0.5mmの微細な細胞を採取し、移植した培地で1本の小さな苗を育てる「生長点培養」の工程から始まる。同社の強みは、液体培地を用いる「液体培養法」を採用し、専用の培養装置で増殖することで、一般的な「固形培養法」と比較して約数百倍の効率で高品質な苗を安定生産できる。
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