今後のアグリ多国籍企業の戦略展開の限界2016年12月27日
12月にOne & Two Chinachem Central、香港ビジネス中心街のツインタワービルにChinachem Groupの司令部ともいえる各傘下企業の戦略部門が集中化する。更に香港島に新たに開発中の追加グローバル拠点となるビルを入手。その規模は2万8000平方mの広さを誇る。Chinachem Groupには数か月前にシンジェンタ社のグローバルでの買収に対して、各国公正取引委員会より買収・合併の許可がおりいよいよ2017年よりグループの一員として新たな戦略を展開する事となった。
印象的なのはChinachem Group CEOのSunny Yeung氏が2016年10月に退任したことである。ここ数年グローバル規模での買収に成功してきたグループのCEOが去るのは何故か。2014年につけた最高値HK$8.18が9月にHK$5.31と36%ダウンという大幅下げ、今までのM&A投資に対するリターンが想定を下回る予想が原因という投資家がいる反面次の戦略展開に向けた交代との読みも。
※ ※ ※
Monsanto社の株価は$120であったシンジェンタ社への買収交渉時から交渉が座礁した2015年秋の$84という30%ダウンから持ち直しBayer買収提案それも公正取引委員会による判断により買収が頓挫した場合の補償金の積み上げで6月時点で$111まで回復、しかしMonsanto社のCEOヒューグラント氏は記者会見にて2017年は少なくとも30カ国において公正取引委員会による調査そして交渉・判断が行われるだろうと述べたのち今度は$100を割り込んだ。市場への働きかけでMonsanto社の臨時株主総会で株主の99%がBayerによる買収を許可したとの報道、しかし株価指標では市場の反応は大きくない。
※ ※ ※
一部のM&A専門コンサルタント企業はこの買収の成立する可能性は未だ50%前後であるともしている、これは不明瞭という意味でとらえるべきであろう。独禁法のコンサルタントはモンサント社とバイエル社の合併に際して公正取引委員会より一部の大豆・綿・菜種の種子品種の売却を要求されるだろうと予想し、米国農業にとっての影響がどういう形で現れるかに関して農業生産者及び団体からのこれからの課題提示が始まりその対応には相当な時間がかかるであろうとも言われている。2017年は大きなうねりが何度も世界を駆け巡る。
※ ※ ※
米国ロビーは、現在の状況では保護主義的政策が中心に動きがある以上M&Aに関しても注意深く政策決定機関も監視することから先行きは不透明としている。
要するに見えない・読めないのである。
重要な記事
最新の記事
-
【座談会・どうするJAの担い手づくり】JA鳥取中央会・栗原隆政会長、JAみえきた・生川秀治組合長(1)2025年9月18日
-
【座談会・どうするJAの担い手づくり】JA鳥取中央会・栗原隆政会長、JAみえきた・生川秀治組合長(2)2025年9月18日
-
【座談会・どうするJAの担い手づくり】JA鳥取中央会・栗原隆政会長、JAみえきた・生川秀治組合長(3)2025年9月18日
-
【JA全農の若い力】家畜衛生研究所(3)病気や環境幅広く クリニック西日本分室 小川哲郎さん2025年9月18日
-
【全中・経営ビジョンセミナー】伝統産業「熊野筆」と広島県信用組合に学ぶ 協同組織と地域金融機関の連携2025年9月18日
-
【石破首相退陣に思う】米増産は評価 国のテコ入れで農業守れ 参政党代表 神谷宗幣参議院議員2025年9月18日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】協同組合は生産者と消費者と国民全体を守る~農協人は原点に立ち返って踏ん張ろう2025年9月18日
-
「ひとめぼれ」3万1000円に 全農みやぎが追加払い オファーに応え集荷するため2025年9月18日
-
アケビの皮・間引き野菜・オカヒジキ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第356回2025年9月18日
-
石川佳純の卓球教室「47都道府県サンクスツアー」三重県で開催 JA全農2025年9月18日
-
秋の交通安全キャンペーンを開始 FANTASTICS 八木勇征さん主演の新CM放映 特設サイトも公開 JA共済連2025年9月18日
-
西郷倉庫で25年産米入庫始まる JA鶴岡2025年9月18日
-
「いざ土づくり!美味しい富山を届けよう!」秋の土づくり運動を推進 富山県JAグループ2025年9月18日
-
日本初・民間主導の再突入衛星「あおば」打ち上げ事業を支援 JA三井リース2025年9月18日
-
ドトールコーヒー監修アイスバー「ドトール キャラメルカフェラテ」新発売 協同乳業2025年9月18日
-
「らくのうプチマルシェ」28日に新宿で開催 全酪連2025年9月18日
-
埼玉県「スマート農業技術実演・展示会」参加者を募集2025年9月18日
-
「AGRI WEEK in F VILLAGE 2025」に協賛 食と農業を学ぶ秋の祭典 クボタ2025年9月18日
-
農家向け生成AI活用支援サービス「農業AI顧問」提供開始 農情人2025年9月18日
-
段ボール、堆肥、苗で不耕起栽培「ノーディグ菜園」を普及 日本ノーディグ協会2025年9月18日