【森田実の政治評論】自民党総裁選‐国民の立場に立った誠実な論戦を!2018年8月29日
「木を見て森を見ない」(日本の諺)
◆国民世論から遊離する自民党
最近、私は一般の国民の声を聴く活動をつづけています。直接話を聞くことができたのは、ほとんどが五十歳以上の人たちですが、皆、今の安倍政治に絶望しています。9月20日の自民党総裁選を前にし、われ先にと安倍総理総裁支持に向う大多数の自民党議員にも失望しています。「次の選挙では自民党にだけは投票しません」と明言する人が目立ちました。
最近の自民党議員の動きを見ていると、来るべき総裁選で安倍総理は大勝すると思われますが、来年2019年春の統一地方選挙と夏の参議院議員選挙では自民党候補は大苦戦を強いられることは不可避だと感じます。とくに参院選はきびしく、自民党の議席数は大幅に減少することは、起こり得ると思います。ひょっとすると、第一次安倍内閣崩壊の原因となった参院選大敗北が繰り返される可能性もあると予想されます。2019年夏の参院選以後では、憲法改正の発議は不可能になるでしょう。
最近安倍総理は、「次の国会で憲法改正の発議を行う」と言明しましたが、2019年夏以後では発議が困難になると予測しているからかもしれません。
安倍政治は国民レベルでは人気が低落していますが、自民党内では逆に高い支持があります。国民世論と自民党内世論とのねじれ現象が起きているのです。この矛盾が破裂するのが2019年夏の参院選ということになると予想されています。
◆安倍総理の憲法改正論
安倍総理は「次の国会において憲法改正の発議を行う」と言明しました。安倍総理がこれを本気で実行すると、2018年秋の臨時国会で発議し、2019年に国民投票を行うというスケジュールが考えられます。この場合公明党の対応が焦点になります。衆議院では公明党が反対または棄権しても発議は可能です。しかし、安倍総理は参議院のことを考えて公明党に賛成を強く求めるでしょう。参議院では公明党が賛成しなければ発議は困難だからです。安倍総理が猪突猛進して公明党に、憲法改正に賛成しなければ連立政権を解消すると、決断を迫ることも考えられないことではありません。公明党は追いつめられているかもしれません。
安倍総理の改正案は、憲法第九条の1項2項は現行のまま残した上で、自衛隊が合憲であることを明記するというものです。この狙いは公明党の賛成を得ることにあるとみられています。安倍総理はこの第九条改正では「何も変わらない」と繰り返し明言しています。
安倍総理の姿勢は、ただ憲法改正さえやればよい、というものです。中身よりも形が欲しいのです。安部憲法改正は安倍総理と自民党の自己満足のようなものです。
このような中身のない憲法改正を、2018~2019年という政治課題が山積みしている状況で無理矢理強行する必要があるのか?!という疑問が生じ拡大しています。安倍総理の指導力が試されるときです。私は公明党が安倍改正案発議に賛成することはないと予想しています。安倍憲法改正は水泡に帰すでしょう。
◆政治の根本を見失った安倍政権
いま日本の政治は大転換を迫られていると私は思います。今の政治のやり方をつづけていては、日本はやがて行きづまることは明らかです。
安倍内閣は外交政策の基本を「トランプ追従」においていますが、この行き方が破綻するのは避けられません。自主自立・アジア重視の外交への転換をはかるべき時です。
安倍内閣は国内政策の重点を「大都市尊重・大企業保護」においてきましたが、これはもはや限界です。「地方尊重、中小企業・農業重点」に方向転換しなければなりません。
日本は1980年代以後新自由主義路線をとってきましたが、これが大失敗でした。この結果、日本は衰退しました。自然と農業と地方は荒廃しました。人口減少は止まりません。道義まで廃れました。これを放置すれば日本の信用は落ちます。
日本を蘇生するためにはアジア諸国との緊密な協調が必要です。とくに東北アジアを共同体化することによって人口減少による日本の衰退に歯止めをかけることを考えるべきです。
自民党総裁選は内閣総理大臣を決める大事な選挙です。この機会に、日本の政治のあり方を根本に遡って議論すべきです。
いま日本は歴史的大転換期にあると思います。日本の近現代史を振り返りますと、日本の近代は1853年のペリー来航から始まりました。15年間の国内動乱のあと、1868年に明治政府が発足しました。それから77年後の1945年、大日本帝国は米国など連合国との戦争に敗北し、米国の占領下におかれました。
1945年以後の日本は平和国家として再出発し、73年経ちました。いまの日本は衰退局面に入っています。政治家は現実から目をそらさずに、国民のために根本的課題を真剣に議論すべきです。
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