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【森島 賢・正義派の農政論】米国の社会主義化2018年11月12日

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【森島 賢】

 米国の中間選挙で、トランプ大統領の共和党は、上院で勝って下院で負けた、と報道されている。しかし、これは事実と違う。事実とは逆である。
 上院議員の当選者数をみると、共和党は僅か9人で、民主党は23人(未確定は3人)だった。共和党の大敗である。また下院は共和党が199人で民主党は223人(未確定は13人)だった。共和党は負けたとはいえ、予想以上に善戦した、と言っていいだろう。それが、こんどの選挙で示された、国民の意志である。
 なぜ、識者といわれる人は、こうした事実と逆に考えるのか。
 体制派が大部分を占める、いわゆる識者たちは、議会ばかりに目を向けて、全国の国民の政治に対する意志に目を向けないからである。だから、中間選挙で示された国民の直近の意志が分からない。
 日本も同様である。多くの識者たちは、政治は国会だけで行っている、と考えている。
 農政も同じで、農政は財界や官邸や国会で行っている、と考えている。だから地方を見ようとしない。だから偏った考えになってしまう。

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 さて、米国の中間選挙である。その結果を上の図で示した。
 多くの識者は、どの党が過半数を得たか、だけに注目している。だから、どの党が何人新しく当選したか、を見ようとしない。だから、下院と上院が、ねじれた、などと皮相なことしか言えない。
 たしかに、今後の政治を見るばあい、議会でどの党が多数派を占めるか、は重要である。しかし、政治は議会だけで動くものではない。政治は国民がその意志で動かしている。そして、中間選挙と大統領選挙が2年ごとに行われ、国民の直近の意志を確認する。
 では、こんどの中間選挙で示された米国の国民の政治意志は、何であったか。

 
 

 
 

 下院と上院でねじれたというが、何を軸にしてねじれたのか。共和党と民主党という政党を軸にしてねじれた、というのだが、それにどんな意味があるのか。
 共和党も民主党も、それぞれが一枚岩ではない。
 共和党は内部で、トランプ大統領を軸にして、真正トランプ派と似非トランプ派との間にねじれがある。真正トランプ派は、自由貿易を否定し、自由貿易で辛酸をなめている経済的弱者の立場に立っている。それに対して似非トランプ派は、選挙で当選するためだけに、トランプに賛意を表している。
 一方の民主党には、社会主義派と体制派との間にねじれがある。社会主義派は、民主社会主義を唱え、弱者のために格差の是正などを主張して、サンダース氏やコルテス氏など多くの人を当選させた。しかし、党内の体制派はそれを快く思っていない。

 
 

 
 
 このように、米国の国民の政治意志の間には深刻なねじれがある。
 それは、自由貿易をはじめとする自由経済への疑問である。市場原理主義への疑問といっていい。つまり、経済への政治の規制についての考えの溝である。
 経済的弱者は、経済に対する政治の優位を主張するし、経済的強者である体制派は、逆に政治に対する経済の優位を主張する。
 このねじれを中心にして、米国の政治が動いている。ここを注目しないかぎり、政治の動きを歪んだ形で見違える。だから、その深層が分からない。

 

米国中間選挙の出口調査の結果(毎日新聞 2018.11.08より)

 上の表は、毎日新聞が報じたCNNなどの出口調査の結果である(8日)。調査対象は1万9千人である。
 この調査結果をみてみよう。共和党に投票した人は、男性と白人が多い。一方、民主党に投票した人は、女性と青年・中年層と非白人が多い。
 この結果を、おおまかに見ると、共和党は弱者の党のようでもあるが、強者の立場の人も少なくない。民主党は弱者の党と見ることができるだろう。しかし、共和党にはトランプ氏の人権軽視などの弱点がある、また、民主党には体制派もいる。
 両党には、こうした夾雑物があって党内でねじれている。しかし、それを乗り越え、両党の支持者のなかの弱者たちが協力して、政治に影響を及ぼせば、米国に新しい政治風土を切り拓くことができるだろう。
 それは今後、日本にも大きく影響を及ぼすに違いない。

 
 

 

 もう1つ言いたいことがある。
 それは、青年層の投票率が高かったことである。そして、彼らの多くは民主党、つまり、弱者の側に立つ民主社会主義者が台頭している民主党に投票したことである。
 米国の未来は明るい。
(2018.11.12)

(前回 国民民主党の不可解な農政

(前々回 農村は未来社会を目指す

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