【森島 賢・正義派の農政論】野党の弛緩した選挙協力2019年7月22日
昨日の参院選で自民党は57人が当選した。全改選議席の46%だから、自民党の善戦といっていい。4野党も32の1人区で、10人が当選したのだから善戦といっていいだろう。
では、誰が惜敗したのか。それは弱者である。今後しばらくの間、安倍晋三政権の一強政治が続く。その間、弱者の苦難が続く。
だから、それを阻止できなかった責任は、野党にある。野党も善戦したなどと言ってはいられない。
ここには、4野党の選挙協力の弛緩がある。選挙協力に魂が入っていなかったのではないか。だから、弱者や無党派層といわれる人たちの魂を動かせなかった。そして、彼らの広範な支持が得られなかった。
4野党には、政治は国会で行うものという固定観念に捉われているのではないか。だから、幹部は、2年後の衆院選に勝つ足場ができた、などと呑気なことをいっている。
だが、そうではない。政治は、日常的に国民の中で行われている。
上の図は、先週のこの欄の図に、昨日の結果を加えたものである。
自民は、1人区では前回なみの議席だったが、複数区と比例区を含む全体では、前回以上の議席を得た。公明との選挙協力が成功したのだろう。自民は前回と比べて善戦したのである。
この図も、先週のこの欄の図に、昨日の結果を加えたものである。
この図からも、自民の善戦がみてとれる。全体での自民の議席獲得割合をみると、自民の、かなりの善戦といっていいだろう。
◇
さて4野党の弛緩である。
ここには、弱者の魂を揺さぶるような公約がなかった。現場主義がないからである。選挙のときだけ現場を見るというのではだめだ。日常的に弱者の苦難を見ていなければならない。そうして、現場で弱者と一緒になって、公約を練り上げねばだめだ。今回は、それがなかった。だから、弱者の魂を揺すぶることができなかった。いわゆる無党派層を、投票所に向かわせることが出来なかった。
もういちど強調したい。政治は国会の中だけではなく、国民の中に日常的にあるのだ。
(2019.07.22)
(前回 参院選は農村の1人区が正念場)
(前々回 ■ 梶井さんを偲ぶ ■)
(「正義派の農政論」に対するご意見・ご感想をお寄せください。コチラのお問い合わせフォームより、お願いいたします。)
重要な記事
最新の記事
-
公開シンポ「わが国の農業の将来を考える」11月1日開催 日本農学アカデミー2025年10月15日
-
令和7年度加工食品CFP算定ロールモデル創出へ モデル事業の参加企業を決定 農水省2025年10月15日
-
西崎幸広氏ら元プロ野球選手が指導「JA全農WCBF少年野球教室」草津市で開催2025年10月15日
-
元卓球日本代表・石川佳純が全国を巡る卓球教室 三重で開催 JA全農2025年10月15日
-
秋元真夏の「ゆるふわたいむ」マロンゴールドで鹿児島の郷土料理「がね」を調理 JAタウン2025年10月15日
-
みなとみらいでお芋掘り「横浜おいも万博2025」さつまいも収穫体験開催2025年10月15日
-
JA全農京都×JA全農兵庫×JA全農ふくれん「ご当地ピザ」セット販売 JAタウン2025年10月15日
-
「水田輪作新技術プロジェクト」キックオフフォーラム開催 農研機構2025年10月15日
-
「第77回秋田県農業機械化ショー」にSAXESシリーズ、KOMECTなど出展 サタケ2025年10月15日
-
「直進アシスト搭載トラクタ」がみどり投資促進税制の対象機械に認定 井関農機2025年10月15日
-
県民みんなでつくる「白米LOVE」公開 ごはんのお供をシェア 兵庫県2025年10月15日
-
16日は「世界食料デー」賛同企業など「食」の問題解決へランチタイムに投稿2025年10月15日
-
農機具プライベートブランド「NOUKINAVI+」公式サイト開設 唐沢農機サービス2025年10月15日
-
年に一度の幻のじゃがいも「湖池屋プライドポテト 今金男しゃく 岩塩」新発売2025年10月15日
-
栃木県農業総合研究センターいちご研究所、村田製作所と実証実験を開始 farmo2025年10月15日
-
鳥インフル 米国からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年10月15日
-
鳥インフル 英国からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年10月15日
-
村上農園 過去最高の月間売上12億円を達成「ブロッコリー スーパースプラウト」が好調2025年10月15日
-
事業由来のCO2排出ゼロを2027年に実現へ 月次成果を公開 グリーンコープ2025年10月15日
-
EV車14台導入 都内の稼働車両はEV車両27台に パルシステム東京2025年10月15日