【森島 賢・正義派の農政論】野党の離合集散劇は見飽きた2020年1月20日
野党は前国会で、桜問題やモリカケ問題を取上げて、政府を激しく追及した。その結果、政府の支持率はやや下がった。しかし、野党の支持率はほとんど上がらなかった。
今日から始まる新しい国会でも引き続いて、野党はこれらの問題を追及するというが、国民の支持率を上げる戦略があるのだろうか。
国会が今日から始まるというのに、立憲、国民を中心にした合流問題は、とうとう見送ることになった。その一方で幹部は、来月にも国会が解散されて総選挙が行われるかもしれない、と党内で警告している。
野党は、次の総選挙で勝つための、どんな戦略があるのか。国民は、野党の離合集散劇は見たくない。いったん幕を下ろしたらどうか。
政府の不祥事の底には、野党に対する軽視がある。野党に不祥事を攻撃されても、野党の支持率は上がらない。したがって、政権は安泰だからである。
野党は奮起しなければならない。そうでないと、いまの状況がいつまでも続く。その間も、農業者など弱者の苦難が続く。輸入農産物を増やすことで価格が下がり、農業者が困窮するし、農業者などの弱者は、医療費の負担増で医療を抑制される。
このような弱者の困窮をよそにして、野党は合流劇を続けているし、政府の不祥事の追及だけを行っている。
ここで言いたいことは、合流に反対ということではないし、もちろん、不祥事を見逃せ、ということでもない。
野党に聞きたいことは、合流しさえすれば、そして、いまの政府に代わって、不祥事をしない内閣ができさえすれば、農業者の苦難はなくなるし、弱者は医療を抑制しないですむのか。そこのところを、聞きたい。
そこのところを、しっかりと考えねば、野党に対する弱者の支持は得られないだろう。
◇
合流劇にしても、不祥事の追及にしても、興味本位のマスメディアにとって、視聴率を上げるために好都合なことである。つまり、視聴率を上げることは、マスメディアの経営にとって死活問題である。だから劇場的に取り上げる。正義の主張は、その次の関心事なのである。
野党はそれに惑わされているのではないか。
◇
野党が合流する目的は、安倍晋三政権に代わって、自分たちが政権を奪取することだろう。政府を追及する目的も、政権を奪取することだろう。そうして、弱者のための政治を行うことではないのか。
そうだとすれば、国民の大多数である弱者の支持率を上げ、つぎの総選挙で多数派になることである。
だから、今なすべきことは、幹部たちが行っている合流などという迂遠なことではない。選挙協力である。
全国の各地で奮闘している党員たちや、支持者たちや、弱者たちが、次の総選挙で一致して投票する候補者を、急いで決めることだ。その協議のなかで、合流するほうが有利なら、合流すればいいだろう。
(2020.01.20)
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