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コロナ禍のなかの学術会議問題【森島 賢・正義派の農政論】2020年10月26日

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COVID‐19によるコロナ災禍が猛威を振るうなかで、菅義偉首相による学術会議人事への介入問題が急浮上してきた。野党は、今日から始まる国会を、この問題を主題にした「学術会議国会」にする、といっている。
菅首相は、「総合的・俯瞰的」な観点で判断した、というのだが、多くの野党は、説明が不十分だとして、国会で政府を厳しく追及する、と息巻いている。学問の自由を侵しているのではないか、という論点である。
いま、コロナ災禍で社会が激しく揺れ動いているなか、国会が最優先で審議すべきことは、抽象的な学問の自由なのだろうか。多くの国民は、戸惑っている。
国民が政治に求めていることは、抽象的な学問の自由という次元の議論ではない。多くの国民は、コロナで苦痛を負わされている。この状況を、学問の自由を保証する体制のもと、科学の力を結集して早急に終息させることを政治に求めている。
しかし、政治はこれに応えていない。

先日テレビ(NHK)をみていたら、コロナ禍の実態を鋭く抉り取ったドキュメンタリー番組を報じていた。
コロナで職を失い、収入を失った人たちが、健康保険の保険料も払えず、全額自己負担の医療費もなく、病院へ行けないで病気を重篤化させている、という実態である。
この実態は、特殊なものではない。全国のどこででも見られる実態である、番組は、この人たちをメディカルプアと名付けていた。
これは、100年前の農村を思わされる状態である。そのころ、無医村といわれた村は、全国の至る所にあった。農村だけではない。町も同様な状態だった。

その後、国民皆保険制度が整備されて、他国から医療大国といわれるほどになった。全ての日本人は、こうした誇るべき社会のなかで生きてきた。これは、先人たちの懸命な努力の積み重ねによって到達できたものであった。
しかし、コロナによって、日本の社会は、いまやここまで堕ちてきた。先人たちが積み重ねたものを、突き崩してしまったのである。明治の先人たちは、どんな思いで見ているだろうか。
これは、医療という自然科学の問題であると同時に、医療制度という社会科学の問題である。両者が共同して立て直し、科学を基礎にした対策を考えるべき問題である。だが、政府にこうした考えはない。
次の国会を「学術会議国会」にするのなら、ここに焦点を当てたらどうか。

日本社会の中に、メディカルプアといわれる人たちを続出させた元凶は政治である。
もしも、政治が適切なコロナ対策を行っていたら、こんな社会にはなっていなかっただろう。政府の対策が科学を無視したからである。
政府は、政府の対策を批判する科学者を白眼視してきた。そうして、政府の対策に賛成する、いわゆる科学者だけで対策を立て、実施してきた。その結果が、メディカルプアの続出である。

先日、政府はコロナ感染者の隔離対策を放棄した。自宅療養を認めたのである。
大昔の農村では感染症患者を、避病院という病棟に隔離して、手厚い治療を行っていた。いまの政府のコロナ対策は、隔離病棟を整備しようともしない。明治の先人たちは、嘆いているだろう。
政府は、いま市中感染の多くは家庭内感染だ、という事実を見ていないのだろう。政府の近くにいる、いわゆる科学者は、このことを指摘もせず、自宅療養を容認した。

政府は、政府にとって好都合な、いわゆる科学者の言動だけで対策を立てるのではなく、全国の科学者の言動に耳を傾けて、万全なコロナ対策を行うべきである。
学術会議の人事に介入するなど、してはならない。
権力に人事権を握られれば、自由な発言はできないし、自由な討論はできない。それでは科学的な真理には到達できない。科学に基づくコロナ対策は立てられない。

学術会議は、いうまでもなく科学の成果で社会に貢献するための科学者の組織である。そのために、全国の科学者から、そして、全分野の科学者から選ばれた人たちが集まって、事実と科学的論理に基づく発言を保証されている自由な討論の場である。
ここには自然科学系の科学者もいるし、人文・社会科学系の科学者もいる。だから、あらゆる社会問題について、事実と科学に基づく発言ができる。
ここには政治的な対立があっていい。対立があるからこそ、科学的な深い真理へ到達できる。
しかし、政治権力からの圧力があってはならない。科学者が自由に発言できなくなる。それは、全国の全科学者への挑戦である。それと同時に、国民に対する挑戦である。
こんどの問題は、この点に関わっている。

多くの国民が国会に期待していることは、野党が一致して、政府に対し、学術会議人事への介入を反省させ、再考させることである。
その上で、学術会議問題を学問の自由を侵すものとして、一般的、抽象的に論ずるのではなく、政府が科学を軽視していることが原因になって、コロナ禍を早急に終息できないでいることを明らかにすることである。

(2020.10.26)

(前回  COVID‐19危機の中で狂気の食糧減産

(前々回 学術会議問題は暗黒社会への入り口


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