正しい情報で理性的な行動を【消費者の目・花ちゃん】2020年12月5日
新型コロナウイルスで、世の中が右往左往しています。第一波の時には多くの人が引きこもって、街角からひと気がなくなりましたが、徐々に慣れてきたことに加え、Go-ToトラベルやGo-Toイートの後押しもあって、以前よりも多くの人が旅行したり、会食したりするようになりました。平日というのに銀座は人で溢れていたそうです。
好ましくないことが起こる可能性のことを「リスク」といいますが、私たちが何をリスクと思い、何をリスクと思わないかが「リスク認知」です。第一波の時と比べると新型コロナウイルスに対する「リスク認知」は明らかに変化しています。リスクコミュニケーションの専門家である西澤真理子氏は、「人のリスク認知は本質的には主観で決定され、そのリスクを受容するか否かは利益があるかどうかで決まります。」と言っています。
つまり、利益(ベネフィット)が損失(コスト)を上回るとリスクを受容する心理が働き、コストがベネフィットよりも大きければ受容しないということです。Go-Toトラベルは、まさにこの心理を利用した施策だと思います。単に金銭的なベネフィットだけでなく、旅先での楽しい経験もベネフィットです。家にこもってばかりでは息が詰まるというのが本音でしょう。
しかし、医療崩壊について真剣に考える必要があります。人は自分に起こると感じるものには不安を感じますが、そうでないリスクは許容してしまう傾向があります。コロナ感染による重症化が自分にも起こると感じられず、あるいは軽症で気づかずに人と接触して感染が拡大しているのが今の状況でしょう。危機感覚は人それぞれですから簡単ではありませんが、正しい情報に基づいた理性的な行動が求められています。
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