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立憲党は誰の党か【森島 賢・正義派の農政論】2021年11月22日

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立憲民主党の代表選が、1週間後に行われる。4人の候補者は、党をどのようにしようとしているのか。そこのところが分からない。自公の現政権に代わり、野党第一党の立憲を中心にした、新しい政権を作るというのだが、そこで、どんな政治を行うのか。そこのところが分からない。
自民の2020年綱領をみると、その冒頭に「反共産・社会主義」を掲げている。自民政治の大原則は、賛否は別にして鮮明である。
一方、立憲の2020年綱領では、その冒頭に「民主政治を守り育て…」と書いてあるだけである。自戒の言葉かもしれないが、これに反対する人はいないだろう。つまり、何も書いていないのと同じだ。
それに続けて「(立憲は)国民が主役の政党です」とある。大金持ちも国民だから、彼らも主役になるのだろうか。
代表選の候補者たちは、これらの点を、どう考えているのか。つまり、誰のための、どんな政治を目指しているのか。

立憲党は誰の党か

候補者たちは、党の綱領を実現するため、先頭に立って奮闘しようとしているのだろう。

だが、先頭に立って何をするのか。そこのところが分からない。そして、どうして政権を取るか、という議論に集中している。保守層の、いわゆるリベラル派や中間派まで取り込んで多数派になって政権を取るかどうか、などという議論に集中している。
いったい、リベラル派とは何なのか。それも曖昧なままで、リベラル派と保守派の間の、どの位置に立つか、などという些末な議論をしている。

多くの国民が聞きたいことは、そんなことではない。聞きたいことは、立憲は誰のための党か、ということである。
コロナ禍が今後も続くかも知れない状況のもとで、そして、コロナ禍の影響が今後も確実に続く状況にあって、弱者が、最も深刻な災禍を受けている。この状況のなかで、立憲は弱者の側に立つのかどうか。そのことを鮮明に示すべきではないのか。
それは、自助を第一に掲げる自民には出来ないことである。自助ではなくて、共助・公助を第一に掲げる立憲だからこそ出来ることである。

これは、コロナ問題だけではない。政治の根本姿勢に関わる対立点である。自助第一か。共助・公助第一か。
自助第一の政治は、強者のための政治であり、共助・公助第一の政治は、弱者のための政治である。そして、強者は一握りの国民だが、弱者は国民の圧倒的な多数派である。

以上は政治戦略である。これを戦術に具体化するのだが、ここにも多くの問題がある。それは誰が具体化するかである。
これまでの立憲は、中央で決めた政策を上意のように、して下達していた。「連合」の幹部の意向を忖度して、戦術を決めて下達していた。これは民主主義ではない。「草の根」の声を吸い上げて中央が決める、というのだが、それは民主主義ではない。以前、「雑草にも、それぞれ名前がある」と言った農学者がいた。この言葉をかみしめるべきである。

そうではなくて、「草の根」などと蔑まれている現場の労組員など現場の党員が討議し、その結果で、現場の党員が決めるべきだろう。中央は、参考意見を言うだけでいい。これこそが、真の民主主義である。そうなるために、現場の党員組織の強化は必須だろう。
代表選も中央の国会議員が中心になって決めるのではなく、現場の党員だけで決めたらどうだったか。国会議員は「まな板の鯉」になればどうだったか。

もう一つ。「共助」についてである。「自助」は過去の市場原理主義時代のものだ。「公助」の官僚制の時代も過ぎた。コロナ後は「共助」の時代である。「公」を従えた「共助」の時代である。
そして、「共助」は農協など協同組合の旗印である。もっと協同組合に深く入り込んで支援者を増やし、支援組織を強化したらどうか。
こうすることで、立憲が政治力を強化すれば、それは、弛緩した日本の政治を活性化する強い力になるだろう。
立憲は、全国の各地で、弱者の共同体の組織者になり、その政治的先鋒になれ。期待したい。
(憲法改悪の問題も重要だが、他日に譲ろう。)

(2021.11.22)

(前回  立憲党の非民主性

(前々回 総選挙は中間派の戦略的敗北

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