『チーム力』で農業支援 全国農協食品執行役員 中島 普子さん 【わたし発 今 女性が生きる意義と役割】2022年2月4日
「一人は万人のため…」共通の目的のために組合員が結集した協同組合。農協や全国連、研究組織など多彩な活動があるが、その中で女性の存在は欠かせないものになっている。それぞれの分野で活躍している人から寄稿してもらった。
全国農協食品執行役員
ソリューション営業部担当
中島 普子さん
小学生のころ、新潟の祖母は私に「これからは女も働かんとならん」とよく言ってくれました。私は子どもながら、スーツにハイヒール、片手にキャリーバックを持つ将来の自分をノートに描いたりしました。
大学の農協論の講義で「全農は生産者と消費者の間で仕事をしている」と学び、それに刺激されて全農に入会しました。配属は園芸販売部の現場。スーツどころか、早朝から作業着の社会人スタートでした。売り場いっぱいの野菜に圧倒され格闘する日々の始まりです。
生産者との会合では「姉ちゃんが担当かい、高く買ってよ」の声に対し、「価格と数量はセットです。まずは確実に契約数の出荷をお願いします」と生意気も言いました。また、取引先バイヤーには生産過剰となったハクサイをまるごと使えるレシピを提案したり、産直キャベツの特売商談では「産地をもっと紹介したいです。県名だけではなくJA名も明記してもらえませんか」と交渉しました。
入会して15年、全農大阪生鮮食品センターで初めて生協担当課のライン長となり、そこではチームで働くことの大切さを実感しました。男女・職歴に関係なく、個性を発揮し、アイディアを出し合い、その相乗効果によって仕事は前に進みます。良い経験となりました。
令和2(2020)年から全農の子会社に出向し、農畜産物の加工品開発・販売にも携わっています。マーケット分析はもちろんですが、産地情勢も把握しながら、食品メーカーの立場で、チームで柔軟に仕事をし、いかに国内農業を支援して行けるかのチャレンジです。
コロナ禍において食品の消費動向も変わってきました。家庭での役割分担や過ごし方も変化しています。仕事や子育てで忙しいパパ・ママや料理の準備に手間がかけられない方々に、「これいいね、ここまで下ごしらえできてるんだ」と思ってもらえるような商品作りをめざしています。また、おいしく、健康にも留意した総菜の開発・販売も強化していきたいと思っています。
私が入会したころと比べて、就労の機会という点では男女差はなくなってきました。これからは経験年数や採用の形態にかかわらず、いかにチーム力が発揮できる職場をつくっていけるかが問われており、そのことを実践していきたいと思っています。入会して30年、ここまでを振り返りつつ、これから先の仕事や人生を考えるこの頃です。
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