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(278)日本の農作物被害の四半世紀【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2022年4月15日

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農作物はさまざまな災害により被害を受けます。渦中にいる時は目の前の対応で一杯ですが、少し時間を置いて眺めると実情がよく見えてきます。今回のような内容は本来ならばしっかりと論文にまとめれば良いのでしょうが、広くご理解頂くためには簡潔かつ、こうしたコラムが有益ですので、簡単にまとめてみました。

農林水産省が実施している統計の中に、「作物統計調査」がある。通常は、生産量などを確認することが多いが、ここでは農作物被害を概観する。農作物の被害を災害ごとに大別すると、「降雪被害」「降霜被害」「大雨・台風被害」「低温・日照被害」「降ひょう」「干ばつ」の6項目になる。

被害の規模は被害地域の広さと被害金額で示されている。その中で、平成10(1998)年以降の我が国における被害「金額」を項目別、年度別に「作物統計調査」から抜き出したものが以下の表である。単位は億円、単純な表だが、現代の農作物被害とはどのような形なのかがわかる。内容についていくつかコメントをしてみたい。

過去四半世紀の災害種類別の主な農作物被害

第1に、毎年のように農作物被害が発生しているのは「大雨・台風被害」である。以前のコラムで過去1400年間の飢饉の発生原因の上位3要因を「日照り」「水害」「流行病」と紹介したが、現代日本の農作物被害に関する限り、頻度としては「大雨・台風被害」が常連である。

通常年(?)でも被害額は100~200億円だが、平成16(2004)年の8~9月にかけては台風15・16・18号が全国の水陸稲・野菜・果樹に多大な被害を与えた。この年の被害金額1,713億円の4分の3はこの3つの台風の影響である。

第2に、「降雪被害」と「低温・日照被害」である。降雪被害は大雨・台風被害に比べればそれほどではなく地域も限定されているが、それでも過去24年間で13回、2年に1回以上の頻度で発生していることがわかる。

「低温・日照不足」は件数としては4件と少ないが、発生するとその影響は極めて大きい。とくに平成15(2003)年は5月中旬以降、沖縄を除く全国のほぼ全ての農作物が被害を受けたため、記憶にある方も多いと思う。年間被害総額3,938億円は過去四半世紀の農作物被害の中で最大規模である。

なお、平成18(2006)年および平成21(2009)年にも1,500億円規模の「低温・日照不足」による被害が発生しているが、過去10年ほどは発生していない。

第3に、過去四半世紀の農作物被害総額は概ね1兆5000億円程度であり、簡単に言えばその半分が「低温・日照不足」、4割が「大雨・台風被害」、残りがその他となる。「低温・日照被害」が一度発生した場合には被害額が極めて大きくなる一方、ほぼ毎年のように「大雨・台風被害」は発生していることがわかる。

さて、以上を踏まえると、ありふれた言い方になるが、基本的には毎年のように発生する「大雨・台風被害」や地域ごとにその他発生頻度の多い災害に備えつつ、その一方で「低温・日照不足」に備えて品種改良やその他の対応を行っていく、という事になろうか。

追加で言えば、何となく「平成」は安定していた時代であり、「令和」になった途端に多くの変化が発生したような印象を受ける向きも多いが、農作物被害に関しては、今までのところ元号には関係なく、「平成」時代にも継続的かつ頻繁に発生している。このあたりは具体的な災害の記録をしっかりと確認する習慣をつけた方が良いであろう。

*  *

速報性を重視する新聞報道やテレビ・ラジオなどのニュースでは意外とこうした俯瞰的な情報は少ないですが、何に備えれば良いかというのは過去の経験が大きくモノを言う分野でもあります。6項目全てが無かった年もゼロという点は重要です。

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