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末端精米価格に反映されない新米価格【熊野孝文・米マーケット情報】2022年8月30日

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先週末に配布された食品スーパーの新聞折り込みチラシに4年産新米の5キロ精米が紹介されていた。その中でも安いものは千葉ふさおとめが1190円(税別)になっていた。8月はじめから店頭に並び始めた宮崎コシヒカリも昨年よりも安値で販売するところが目立ったが、関東新米も、はじめはふさおとめが1380円であったが、出回りが本格化し始めるとともに1200円台のものも散見され、現在ではそれ以下の精米価格で販売されるようになっている。市中で取引されている4年産米早期米は昨年同期より高値でスタートしたものの末端価格にはそれが反映されていない。

クリスタルライス表は8月25日に開催されたクリスタルライスのFAX取引会で売り物として示された主要産地銘柄の売り唱え価格を昨年同期と比較したものである。

全体の数量は40産地銘柄4万6987俵で、前回取引会に比べ売り物が若干増加したものの、前年同時期に比べると3割ほど少ない。

ここで注目されるのかは、4年産米の売り唱え価格の前年同時期の比較である。関東コシヒカリを見ると下値は500円値上がりしているが、上値は昨年同期と同値である。すでに出回っている千葉ふさおとめ、ふさこがねの価格は1万400円~1万850円になっている。4年産新潟コシヒカリの売り唱えは1万6300円で1100俵が出ているが、これは売り人の希望価格で3年産が1万4300円で買えるのにそれよりも2000円も高く買う卸はいない。

実際に成約したものは茨城コシヒカリが1万1000円(置場)、千葉あきたこまちが1万650円(9月末まで持込)、千葉ふさこがねが1万400円(置場)で3800俵に留まった。関東早期米の出回りが本格化し始めた時期の取引会としては極めて低調な取引に終わったと言える。低調であった要因の一つには、この取引会の前に千葉市で開催された新米取引会の価格に比べ売り唱え価格がやや割高であったこともあるが、これは関東の農協の中には概算金に加え買取価格を値上げしたところもあり、商系業者も対抗上集荷価格を引き上げざるを得なくなったという要因もある。それと昨年と違う事は、昨年は西日本の地場県産米のスタート価格が高値であったことから関東の早期米が西日本に大量に流れたが、今年は西日本の地場玉が値下がりしていることから、そうした現象が起こらず、買い手の卸は早晩値下がりすると予測しており、買い控えたことが大きい。

こうした動きがあって農協系統が概算金を値上げした額程は市中の取引価格は上がっていない。このことは今後、東北、北海道という大産地の収穫が本格化するとともに「概算金を値上げしてもそれが販売価格に反映されるのか?」という大問題を引き起こすことになると予想される。

相対価格は文字通り相対であり、買い手の卸と様々な条件で値決めされており、その価格が一体いくらであるのか当事者以外には誰にも分からない。共同計算方式で処理しているところは最終的にその額が分かるのは1年以上先のことである。

生産資材が高騰しているのは全国どこの産地も同じで、4年産の概算金や買取価格に関して前年産より最低でも1俵1000円の値上げの意向にある。その額が相対価格に反映されなかった場合にどうなるのかという点も今から考えておいた方がよい。

3年産の相対販売基準価格と実際に契約した加重平均価格の差額は、額が少ない産地銘柄で▲1000円、大きいところでは▲2600円にもなっている。驚くべき価格差だが、そうした値引きを実施しなければ精米は売れなかったのである。

そのことが良く分かる小売店等のデータがマンスリーリポートに出ている。主な産地銘柄の5キロ当たりの精米価格(税込)を昨年6月と今年6月(カッコ内)を示すと以下のようになっている。北海道ななつぼし1,889円(1,680円)、青森まっしぐら1,720円(1,574円)、宮城ひとめぼれ1,791円(1,643円)、秋田あきたこまち1,992円(1,733円)、山形はえぬき1,767円(1,580円)、茨城コシヒカリ1,819円(1,613円)、新潟一般コシヒカリ2,143円(2,093円)といった具合で、軒並み値下がりしている。

4年産は冒頭に記したように精米価格が安値でスタートしており、3年産とは逆に右肩上がりで値上がりすれば良く、外部環境はそうなるような要素が多くあるのだが、現実にはそうはならない可能性が高いことがコメが抱える大きな構造的な問題だと言える。

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