シンとんぼ(124) -改正食料・農業・農村基本法(10)-2025年1月11日
シンとんぼには農業の持続的発展と食料の安定供給への切なる思いがあり、この思いが一日でも早く実現されることを願いながら、今後の農業を占う様々な事項についてして持論を展開している。現在、2024年6月に改正された食料・農業・農村基本法をしっかりと学び、同法を理解した上で農業関係者が何をしなければならないのかを思案を巡らせている。実際の具体的な内容については来年3月に出される予定の「食料・農業・農村基本計画」で明らかとなるだろうから、詳細の検討は後に行うこととし、まずは改正法から国の考え方の方向性を探っていこうと思い、条文の理解を進めている。
今回は第五条を掘り下げてみようと思う。第五条は、農業の持続的な発展を主題にした条文であり、その第1項は次のようになっている。 「第五条 農業については、その有する食料その他の農産物の供給の機能及び多面的機能の重要性に鑑み、人口の減少に伴う農業者の減少、気候の変動その他の農業をめぐる情勢の変化が生ずる状況においても、これらの機能が発揮されるよう、必要な農地、農業用水その他の農業資源及び農業の担い手が確保され、地域の特性に応じてこれらが効率的に組み合わされた望ましい農業構造が確立されるとともに、農業の生産性の向上および農産物の付加価値の向上並びに農業生産活動における環境への負荷の低減が図られることにより、その持続的な発展が図られなければならない。」となっている。第五条は、旧法の第四条に第2項を新設して作られており、第1項の後段にあった「農業の自然循環機能」に関する記述が、新法では第2項に移されている。
このように第五条は、旧法の第四条で述べていたことを、気候や情勢の変化への対応強化と自然循環機能の増進を強調した構成となっている
言い回しが分かりにくいのだが、よくよく読み込んでみると、「農業の持つ食料供給機能と多面的機能は、環境の変化や情勢の変化があってもその機能を発揮し続けなければならない。そのために必要な農業資源や農業の担い手を確保し、それらが効率的に機能する農業構造を確立しなければならない。また、農業の持続的な発展は、農業生産性の向上及び農産物の付加価値の向上によって行い、生産活動における環境への負荷は出来るだけ減らさなければならない。」といっているようだ。これって、従来からいわれていることを言い回しを変えただけなように思うのはシンとんぼだけだろうか? 問題はこの理想をどうやって実現するかなのだが・・・。基本計画が楽しみである。
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