シンとんぼ(157)-改正食料・農業・農村基本法(43)-2025年8月30日
シンとんぼには農業の持続的発展と食料の安定供給への切なる思いがあり、この思いが一日でも早く実現されることを願いながら、今後の農業を占う様々な事項について持論を展開している。現在、2024年6月に改正された食料・農業・農村基本法をしっかりと学び、同法を理解した上で農業関係者が何をしなければならないのか思案を巡らせている。実際の具体的な内容については過日(4月11日)に閣議決定された「食料・農業・農村基本計画」をもとに詳細を検討することになると思うが、まずは改正法全体の理解を深める方が先決と考え、現在も条文の内容把握を進めている。今回は第五十二条および第五十三条であるが、第五十二条からはいよいよ最終の第四章となり、その内容は"食料・農業・農村政策審議会"の設置と運営に関する章となっている。
まず、第五十二条は旧法の第三十九条そのままであり、食料・農業・農村政策審議会の設置に関することが規定されている。その内容は、「農林水産省に、食料・農業・農村政策審議会(以下「審議会」という。)を置く。」となっている。
次に、第五十三条は旧法の第四十条そのままであり、同審議会の権限を規定している。その内容は、「審議会は、この法律の規定によりその権限に属させられた事項を処理するほか、農林水産大臣又は関係各大臣の諮問に応じ、この法律の施行に関する重要事項を調査審議する。2 審議会は、前項に規定する事項に関し農林水産大臣又は関係各大臣に意見を述べることができる。3 審議会は、前二項に規定するもののほか、土地改良法、家畜改良増殖法、家畜伝染病予防法、飼料需給安定法、酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律、果樹農業振興特別措置法、畜産経営の安定に関する法律、宅地造成及び特定盛土等規制法、砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律、農業振興地域の整備に関する法律、売市場法、肉用子牛生産安定等特別措置法、食品等の流通の合理化及び取引の適正化に関する法律、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律、食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律、農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律、有機農業の推進に関する法律、中小企業者と農林漁業者との連携による事業活動の促進に関する法律、米穀の新用途への利用の促進に関する法律、都市農業振興基本法及び環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律の規定によりその権限に属させられた事項を処理する。」となっている。
この2つの条文を見ると、食料・農業・農村政策審議会は、食料・農業・農村に関係するあらゆる法律が定める事項を処理する権限を持ち、基本法の重要事項を調査審議する最重要機関である。
是非とも、農業の現場をよく把握しながら、現場感覚からかけ離れないように注意しながらその重要な機能を発揮してもらいたいと願っている。
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