【浜矩子が斬る! 日本経済】アメリカのベネズエラ侵攻で幕開けした2026年:日本は高い見識を示せるか 強靭性は平和の土壌に2026年1月6日
2026年は、とんでもない形で幕開けした。ドナルド・トランプのアメリカが南米のベネズエラに攻め込み、同国のマドゥロ大統領を拘束した。トランプ大統領は、ベネズエラからの違法薬物の流入が米国の安全脅かすと主張している。この「麻薬テロ」を止めさせることが、今回の侵攻の理由なのだという。
エコノミスト 浜矩子氏
だが、その背後にはベネズエラの石油を我が物にせんとする野望があるようだ。米国がベネズエラを「管理」し、米国企業が同国の石油産業を牛耳るようになることを目論んでいる節がある。さらには、そのことを通じて、ベネズエラからの石油供給に死活的に依存するキューバに打撃を与えることも狙いの中に組み込まれているという観測もある。
ベネズエラの政治体制については、多々問題があることを国際社会が幅広く認めて、大いに糾弾している。だが、だからといって主権国家に突如として乱入し、その国家元首を拉致するというのは、明らかに暴挙だ。毒を持って毒を制すとでも言いたいのだろうか。こんなことをする米国には、何時、誰が、どんな理由で殴り込みをかけられるか分からない。現状でも、トランプ的襲撃の対象候補はベネズエラに止まらない。メキシコ・コロンビア・ナイジェリア・パナマ・グリーンランド、そしてカナダさえも狙われているかもしれない。
米国がこんなにも物騒な国家と化している今、日本はどう身構え、どう対処したらいいのか。トランプの米国は、日本に対して何をよこせといって来るのか。どんな言いがかりをつけて来るのか。2026年の年頭に当たって、日本の政治・政策責任者たちは、このことについて深く考え、真剣に向き合わなければいけない。
この点との関係で気になるのが、日本のタコ市首相の姿勢だ。タコ市は高市氏に対する筆者のネーミングだ。四方八方に向かって毒性の強い触手を伸ばして来ているからだ。トランプ氏のベネズエラ侵攻について、タコ市氏はどういう見解を示したか。各種の報道によれば、それは、「ベネズエラにおける民主主義の回復と情勢安定に向けた外交努力を進める」というものだった。要は、トランプ氏のベネズエラ侵攻をどう評価するかということについては、言及していないのである。驚くべきトランプ行動に関して、それをどう受け止めているのかということについて、何も思いを表明していない。
こんなことでいいのか。いいわけが無いだろう。逃げている。二つの意味で逃げていると思う。一つは、ご機嫌伺いだ。第一に、意気投合を演出したトランプ氏との関係を崩したくない。第二に、タコ市氏ご本人が、今回のトランプ的侵攻に共感しているところがあるかもしれない。第一の逃げもけしからんが、第二の逃げはもっと恐ろしいと思う。
タコ市首相は、強くて大きくて稼げる日本を志向している。その背景にある国家主義に、筆者はそもそも大異論がある。だが、それはひとまずさておくとしても、本当に強くて大きくて、人々を幸せにできる強靭な経済の構築を目指すのであれば、その基盤となるのは平和だ。国々がギクシャクと覇権を争い、国家的安全保障という名目のために戦う力を競い合う中では、世のため人のためになる強靭な経済は構築できない。
このような意味で強靭な経済は、タコ市首相の目指す強靭な経済ではない。だから、トランプ流力の論理を否定しようとしない。今こそ、力の論理ではなくて、丸腰の論理が光る時だと思う。力の論理を放棄した丸腰国家であり続ければこそ、日本は人々のために強靭な経済を保持して行くことができる。そのような平和国家であればこそ、人々を幸せにできる経済を守り切ることができる。ごり押しの腕力が前面に出る中で迎えた新年であればこそ、平和しか善き経済の裏打ちとなれないことを、改めて確認したい。
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