食品企業の農業参入が増加 黒字化は4割下回る2018年10月23日
日本政策金融公庫農林事業部は10月23日、平成30年7月に調査した、食品関係企業の農業参入に関わる取り組み状況を発表した。
それによると、農業参入は前回の平成22年調査よりも増えており、目的は原材料の安定的な確保が最も多い。
回答のあった2498社分をまとめた。それによると農業参入について、「既に参入している」企業は12.7%(前回調査比3.3ポイント増)と、増加している。しかし、「検討または計画している」「関心はあるが検討していない」の回答が減っていることから、食品産業の農業参入が進んだ一方で、新たに参入に関心を持つ企業は増えていないことがうかがえる。
参入の目的では、「原材料の安定的な確保」が最も多く、次いで「本業商品の付加価値化・差別化」「地域貢献」の順だった。
また、「既に参加している」企業の農業部門が黒字化するまでに要した期間は5年以内が37.9と、4割を下回った。アンケートからは「作付けから収穫までに年一回転であり技術の取得に時間を要した」「本業の安定的稼働が目的であり、農業部門だけでの採算は意識していない」などの声もあった。
農業参入の際の最重要課題では63.2%が「人材の確保」を挙げており、これは前回調査に比べ27.0ポイントの増。次いで「採算性の判断」「農地・事業地の確保」「技術習得」と続く。さらに「資金調達」が22.8%(前回調査からマイナス15.0ポイント限)に減少したことも特徴として挙げられる。
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