林業労働の安全性向上へ 安全装備品の購入費用を助成 農林中金2020年3月25日
農林中央金庫は、2015年度から林業の労働安全性向上を目的とした「林業労働安全性向上対策事業」を開始している。3月24日に2020年度募集を開始した。
林業における産業別死傷者千人率(千人あたりの死傷者数)は、22.4人(2018年度、全産業平均の約10倍)と著しく高い水準にある。林業従事者を確保するうえで労働安全性の向上は必須の課題となっている。
同金庫の「林業労働安全性向上対策事業」は、労働安全対策に取り組む森林組合と同連合会を対象に、安全装備品の一部購入費用の助成を行うもの。
なお、2020年度に行った主な変更点は次のとおり。
▽JA三井リースとの連携で、損害保険の付保、支払費用の平準化などの観点から割賦方式の利用を開始。研修資材および作業補助器具を助成対象装置に追加。今後、装備品についても割賦方式の導入を検討。
▽林業大学校等学生向けの助成については、実習開始時期を考慮し、通常よりも早い納品とする(上期の場合:6月~7月を4月~5月に早めた)
2020年度の募集の概要は次のとおり。
◆助成対象団体
森林組合系統運動を踏まえた、労働安全性向上対策に取り組む森林組合、同連合会
◆助成対象
▽一定の防護機能を有する安全装備品(チェーンソー防護ズボン・ブーツ、林業用ヘルメット、林業用ジャケット、林業用手袋など)
▽熱中症防止を目的とした空調服(ファン付きジャケットなど)
▽研修資材※(伐倒研修キット)および作業補助器具(伐倒ガイドレーザー)(※は割賦方式の利用ができる)
◆助成率 30%
◆募集期間
▽上期募集 4月1日(水)~30日(木)消印有効
▽下期募集 9月1日(火)~30日(水)消印有効
◆装備の使用者とその条件
【直営班】
▽装備品の使用者は、助成対象団体が直接雇用する現業職員であること。
▽装備品は、助成対象団体から使用者に対して無償で支給されること。
▽助成対象のうち「研修教材(伐倒研修キット)および作業補助器具(伐倒ガイドレーザー)」については、割賦方式の利用が可能(今後対象者や商品の拡充は随時検討予定)。
【請負先】
▽装備品の使用者は、助成対象団体と請負契約書を締結し、かつ直近1年間に1事業以上請負実績がある請負先が雇用する
現業職員であること(一人親方を含む)。
▽装備品は、助成対象団体から現業職員が所属する請負先に対し販売されること。販売価格については、助成対象団体と請負先の協議により決定する。
【組合員】
▽装備品の使用者は、助成対象団体の組合員で自ら林業を営むものであること。
▽装備品は、助成対象団体から組合員に対し販売されること。販売価格については、助成対象団体と組合員の協議により決定する。
【林業大学校等の学生】
▽装備品の使用者は、林業大学校等に在籍する学生であること。
▽装備品は、助成対象団体から林業大学校等に対し販売されること。販売価格については、助成対象団体と林業大学校等の協議により決定する。
▽実習開始時期を考慮し、通常よりも早い納品とする(上期は4月~5月、下期は9月~10月)。
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