サステナブル・ファイナンス 上期で5929億円実行 農林中央金庫2021年11月18日
農林中央金庫は11月17日、サステナブル・ファイナンスの上期実績が5929億円となったことを発表した。
農林中央金庫は、2030年中長期目標で21年度~30年度の10年間で新規投資実行額として10兆円を目標としている。
2030年までに投融資先の温室効果ガス排出量を50%削減するとの目標と合わせてサステナブル・ファイナンスも実行する方針で1年で1兆円が目標となる。上期で5929億円と進捗率6%となったことについて、奥理事長は年間1兆円に向かう「軌道上にある。目標を1つ1つこなして着実に進んでいきたい」と話した。
具体的には9月に農林中央金庫として初のグリーンボンド10億ドルを発行したほか、グリーンローン、ソーシャルローン、サステナビリティローンをグリーンローン原則に基づく1号案件として、パレットレンタル企業に融資した。パレットを複数の企業に貸し出し、共同利用と回収を行うことで輸送効率を向上させ、全体で78%のCO2削減が可能となるという。農林中金はこのパレット購入資金を目的とするグリーンローンを提供した。
そのほかJAバンク会員で組成するサステナビリティ・リンクローンや豪州ノンバンクが組成するグリーン住宅ローン債権プールへのファイナンス提供などに取り組んでいる。
17日の会見では2019年~23年までの中期経営計画で掲げた人員の再配置の取り組み状況も明らかにした。
計画では600人程度を再配置する予定で今年度までに520人が確保できたという。このうち401名がJAやJFで業務改善や貸出業務の伸長などのサポートにあたっている。「これから成果を挙げていくことに集中していきたい」と奥理事長は話す。
また、第29回全国大会決議もふまえ、改めて農業・暮らし・地域の3本柱についてJAバンクとしての貢献をめざす方針も強調、とくに生産現場と販売先を結びつけるような情報発信や、人による支援、地域住民のJAバンク利用の促進など、金融仲介機能を幅広く捉えた取り組みの必要性も示した。
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