持続可能な食と農へ 農中と農研機構が協定2025年4月23日
農林中金と農研機構は4月23日、持続可能な食と農の実現に向け3月31日に連携協定を締結したと発表した。
両者は2022年に食農分野での温室効果ガス削減技術などの取り組みを現場で促進するために、地球温暖化問題の解決を目的とした連携協定を締結した。
しかし、最近では2024年に世界経済フォーラムが気候変動だけはなく、生物多様性など自然の喪失もトップリスクと報告するなど、気候変動のみならず、自然関連などを含む課題解決に統合的に取り組むことが求められている。
そこで今回、両者は22年に締結した協定をブラッシュアップするかたちで気候変動に加えて、生物多様性、水などの自然資本、生態系サービス、循環型経済、そしてアニマルウェルフェアまでを新たに領域とした連携協定を締結した。
統合的な取り組みをめざすことにしたのは、たとえば気候変動対策と生物多様性保全との間には、トレードオフの関係になることもあるからだ。水稲の中干し期間の延長はメタン発生を削減できるが、一方では水生生物のへの悪影響も考えられる。農研機構はこうしたトレードオフを解消する知見を持っており、水田に小水路を設置していれば、中干し後に水を入れることで水生生物が増え始めることが確認されている。
気候変動対策と生物多様性の保全を両立させた農法の社会実装にはこうした知見をもとにした正しい実践が必要となり、農林中金は現場へのファイナンス支援、農研機構は知見を提供する。
今後は、循環経済(サーキュラーエコノミー)に貢献する下水汚泥のたい肥化や、高温耐性品種の開発に貢献するジーンバンクなどの生態系サービスなど、持続可能な食と農を実現するための「有効な打ち手」の確認をまずは行う。
さらにこうした有効な打ち手の特定に加えて、農業者の取り組みと、その農産物を活用した食品企業などの取り組みを評価する指標づくりにも取り組む。
農林中金と農研機構は食農バリューチェーン全体での課題解決に向け連携を強化する。
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日
-
キウイブラザーズ新CM「ラクに栄養アゲリシャス」篇公開 ゼスプリ2025年4月30日
-
インドの綿農家と子どもたちを支援「PEACE BY PEACE COTTON PROJECT」に協賛 日本生協連2025年4月30日
-
「日本の米育ち 平田牧場 三元豚」料理家とのコラボレシピを発表 生活クラブ2025年4月30日
-
「子実トウモロコシ生産・利活用の手引き(都府県向け)第2版」公開 農研機構2025年4月30日
-
「金芽ロウカット玄米」類似品に注意を呼びかけ 東洋ライス2025年4月30日
-
令和7年春の叙勲 JA山口中央会元会長・金子光夫氏、JAからつ組合長・堤武彦氏らが受章2025年4月29日