米、30年産への展望具体化を-JA全中2015年11月11日
JA全中は11月9日の自民党の会合で28年産米で適正な生産を実現するための要望を行った。
9日に開かれた自民党の農業基本政策検討PTでJA全中の水田農業対策委員会委員長田波俊明全中副会長は「主食用米の需給は一定程度改善しているが、28年産の取り組みいかんでは再び米価が下落するおそれがある。引き続き民間在庫を圧縮していく必要がある」として▽28年産の生産数量目標等の適切な設定、▽長期的かつ継続的な支援を前提にした水田活用の直接支払交付金の支援体系・単価の維持、万全な予算の確保▽需要に応じた生産に取り組む担い手の再生産を確保するセーフティネット対策の早期検討と具体化、▽米穀周年供給・需要拡大支援事業の継続と予算確保などを要請した。
また、30年産からの新たな米づくりに対応できるよう、新たな米づくりのイメージ、将来展望を具体化し関係者間の認識共有と生産現場へ早期に浸透させることも求めた。 会合では27年産で飼料用米への転換などで主食用米の過剰作付けが解消され、来年6月末の民間在庫が205万t水準と今年6月より25万t削減される見込みになったことや、9月の相対取引価格が60kg1万3178円(全銘柄平均)と26年産の同時期にくらべ700円上昇した。
ただ、この価格水準は22年産米の同時期価格と同水準(1万3040円)。22年産米は年産平均価格が1万2711円で26年産米(同1万1990円)をやや上回る程度。22年産は戸別所得補償制度が導入され低米価でも生産者の所得は政策で補てんされた。
27年産の米価について宮腰光寛・同PT座長は「決して適正水準とはいえない」と指摘した。
とくに全国では過剰作付けを解消したものの県段階では大幅な過剰作付けとなっている県もあることから「全国で努力しているにもかかわらず、まだ取り組みが進んでいない県がある。これを残しておいたのでは来年も今年の米価水準にとどまってしまうのではないか。米どころの東北で深掘りを達成したことから、(28年産で)もう少しアクセルをふかして需給をしっかりとしたものにしていく」と宮腰座長は話し12月にも重点県を決めて現地で国、県、農業団体などが一体となって飼料用米転換などを促進するキャラバンを実施する考えを示した。
農林水産省によると27年産米で生産数量目標を下回った県は36都道府県、目標をさらに深掘りした自主的取組参考値まで下回ったのは28道府県だった。生産数量目標の面積換算値を下回った都道府県に対して10aあたり5000円の産地交付金が27年産から配分されている。
農水省は、28年産の生産数量目標の配分については、生産調整の超過達成等に関係なく、27年産で配分した各都道府県別のシェアは固定することにしている。シェアが固定されるため、国が全体の生産数量目標を示せば各都道府県は自らの生産数量目標と自主的取組参考値が分かる。農水省は都道府県別の配分シェアの固定や自主的取組参考値を示す方法が、30年産からの「行政による配分に頼らない」米づくりを前倒しして実践するものだとしている。
(関連記事)
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