米卸売業 2015年度は増収増益2016年12月1日
米麦卸売業者の2015年度動向調査をこのほど東京商工リサーチが発表した。大手と中小の二極化が鮮明になったとしている。
米麦卸売業430社の2015年度(4-3月)の売上高合計は1兆5702億4600万円だった。米価上昇や大手企業を中心としたグループ再編、米以外の取り扱いが加速したことなどで、前年度より199億5700万円増加した(1.2%増)。
当期純利益合計は139億700万円で前年度より48億5700万円増加した。大手企業の取り扱い量の増加や仕入コストの削減のほか、物流費の圧縮も増益の要因となった。
430社のうち売上高5億円未満が210社と48.8%を占める。一方、50~100億円未満が28社(6.5%)、100億円以上は26社(6.0%)となっており、米麦卸売業者は中小企業を中心に構成されている。
増減収別では「増収」が125社(29.0%)、「減収」が259社(60.2%)だった。売上高100億円以上の大手企業は53.8%が増収だったが、100億円未満の中小企業では増収は27.4%にとどまっており、売上高上位の増収企業が全体を引っ張った結果となっている。
増減益別では「増益」は221社(51.3%)、「減益」は137社(31.8%)で増益が上回った。売上高100億円以上では76.9%が増益だったが、100億円未満では49.7%にとどまり、利益の売上高上位が全体の業績を押し上げた。
売上高ランキングでは第1位が伊藤忠食糧(2119億円、前年比6.92%増))、2位は神明(1235億円、同6.48%増)、3位は木徳神糧(911億円、同5.35%減)、4位は大和産業(858億円、同6.15%)、5位は全農パールライス(850億円、同25.34%)などとなっている。
米麦卸売業者の売上高は米の需要や米価に左右されやすい。28年産は米価が上昇しており9月単月の相対価格が上昇し、古米の評価損をまぬがれた。台風被害も限定的で収穫量も生産数量目標より7万t多い750万tの見込みとなっている。
しかし、米の消費は人口減少、高齢化などで年に8万t程度の減少を続けている。米の流通も多様化し農業法人をはじめとして米生産者が直接、消費者へ販売するケースも増えてきている。
こうしたなか、米麦卸売業界では大手企業の再編や買収が加速している。伊藤忠食糧は2011年に系列の伊藤忠ライスを吸収合併し、15年には大阪第一食糧を子会社化した。全農パールライスも東西2社が14年10月に経営統合した。
東京商工リサーチは、米麦卸売業界は国内の米消費の減退に加え生産者と小売業者との関係の変化など課題が山積しているとして、競争力を確保するためにはブランド力と付加価値を高めることが必要だと指摘している。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(172)食料・農業・農村基本計画(14)新たなリスクへの対応2025年12月13日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(89)フタルイミド(求電子剤)【防除学習帖】第328回2025年12月13日 -
農薬の正しい使い方(62)除草剤の生態的選択性【今さら聞けない営農情報】第328回2025年12月13日 -
スーパーの米価 前週から14円下がり5kg4321円に 3週ぶりに価格低下2025年12月12日 -
【人事異動】JA全農(2026年2月1日付)2025年12月12日 -
新品種育成と普及 国が主導 法制化を検討2025年12月12日 -
「農作業安全表彰」を新設 農水省2025年12月12日 -
鈴木農相 今年の漢字は「苗」 その心は...2025年12月12日 -
米価急落へ「時限爆弾」 丸山島根県知事が警鐘 「コミットの必要」にも言及2025年12月12日 -
(465)「テロワール」と「テクノワール」【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月12日 -
VR体験と牧場の音当てクイズで楽しく学ぶ「ファミマこども食堂」開催 JA全農2025年12月12日 -
いちご生産量日本一 栃木県産「とちあいか」無料試食イベント開催 JA全農とちぎ2025年12月12日 -
「いちごフェア」開催 先着1000人にクーポンをプレゼント JAタウン2025年12月12日 -
生協×JA連携開始「よりよい営農活動」で持続可能な農業を推進2025年12月12日 -
「GREEN×EXPO 2027交通円滑化推進会議」を設置 2027年国際園芸博覧会協会2025年12月12日 -
【組織改定・人事異動】デンカ(1月1日付)2025年12月12日 -
福島県トップブランド米「福、笑い」飲食店タイアップフェア 期間限定で開催中2025年12月12日 -
冬季限定「ふんわり米粉のシュトーレンパウンド」など販売開始 come×come2025年12月12日 -
宮城県酪初 ドローンを活用した暑熱対策事業を実施 デザミス2025年12月12日 -
なら近大農法で栽培「コープの農場のいちご」販売開始 ならコープ2025年12月12日


































