イネ害虫の食欲を左右するタンパク質発見 農研機構2019年2月14日
農研機構は2月12日、イネ害虫のツマグロヨコバイの唾液から食欲や成長を促すタンパク質「NcSP75(エヌシーエスピーななじゅうご)」を発見したと発表した。
イネ害虫のツマグロヨコバイは針のような口を持ち、イネから篩管液などを吸汁して栄養を摂取する。またイネの栄養を奪うだけでなく、吸汁時にイネ萎縮病やイネ黄萎病を媒介するため稲作に打撃を与える。
同機構は、ツマグロヨコバイの唾液に含まれるタンパク質を解析。「NcSP75」の働きを抑えた場合、上手く篩管液が吸えず幼虫の場合は成虫になれずに死亡。メス成虫の場合、4割以上は全く産卵せず、平均産卵数は10.8%に減少した。また、このタンパク質の働きを抑えても、人工的に作った栄養液は吸うことができることから、イネの液汁を吸うために必要なタンパク質であると考えられるという。
NcSP75はツマグロヨコバイからしか見つかっていないため、ほかの有益な昆虫に影響しない新しい防除技術として活用される可能性がある。
(写真)
イネを吸汁するツマグロヨコバイ(メス成虫)体長5~7ミリ。孵化後、1~5齢幼虫を経て成虫に羽化。メスは100~200個の卵をイネ内部に産み付ける(農研機構)
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